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- AIで実現をするリキッドコンテンツ:制作リソースを劇的に削減する実践手法(イベントコンテンツ活用)
この記事の結論・サマリー
- イベントで生まれる一次情報をAIで素材レベルに解体・再編集することで、制作工数を最小限に抑えながらリキッドコンテンツの量産が可能になります。
- 属性や検討フェーズに合わせたコンテンツの出し分けにより、イベント後のフォローアップ施策における顧客エンゲージメントが高まります。
- プラットフォームと生成AIを組み合わせることで、イベント施策を単発で終わらせず、持続可能なナーチャリング(顧客育成)モデルへと移行できます。
第1回では、オフラインイベントと「リキッドコンテンツ」の親和性、およびBtoBマーケティングにおける重要性について解説しました。しかし、実際にイベントから無数のコンテンツを生成して顧客ごとに最適化しようとすると、「制作リソースや時間が足りない」という壁に突き当たります。このリソース課題を解決するのが、生成AIとAI検索(AIO/GEO)時代に適したコンテンツ構造化手法です。本稿では、イベントの内容をAIを活用して効率的にコンテンツ化し、ナーチャリング(顧客育成)成果へつなげる実践的なAI活用アイディアと手法を詳しく紹介します。
リソース課題をAIで解決する「リキッドコンテンツ生成」の仕組み

コンテンツのパーソナライズ化や多チャネル展開の重要性を理解していても、社内のリソース不足によって「サンクスメールを一通送って終わり」になってしまう企業は少なくありません。AIを活用したコンテンツ生成プロセスを取り入れることで、従来の手作業による制作負担を劇的に軽減できます。
「1コンテンツ・マルチユース」から「1アセット・マルチコンテンツ化」へ
従来の二次利用(マルチユース)は、完成したセミナー動画をそのままアーカイブ配信したり、書き起こし記事をそのまま掲載したりする形が主流でした。これに対し、AIを活用したリキッドコンテンツ生成のプロセスでは、イベントから生まれた発言、スライド、アンケート回答などの一次情報を「原子単位のアセット(素材)」としてAIに学習・処理させます。
| 比較項目 | 従来の二次利用(マルチユース) | AIを活用したコンテンツ生成(リキッドコンテンツ) |
|---|---|---|
| 作業プロセス | 動画や原稿を手作業で切り貼り・再編集 | 音声・文字データをAIで細分化・属性別に自動再構成 |
| 制作スピード | 1記事の作成に数日〜1週間程度が必要 | イベント終了後、最短数時間で複数フォーマットを出力 |
| パーソナライズ | 読者全員に同じ内容(アーカイブ等)を配布 | 役職・課題感・検討フェーズに応じた内容へ柔軟に変化 |
| AI検索(GEO)対応 | 構造化されていない長文記事で引用されにくい | QCEP構文や要約データへ自動変換され引用率が向上 |
生成AIによるフォーマット変換と最適化の自動化
生成AI(LLM)は、大量のテキストデータから構造化された要約を作成したり、ターゲットに応じたトーン&マナーへ変換したりする作業を得意とします。イベントの文字起こしデータをAIに入力することで、短尺の要約記事、SNS向けワンフレーズ、営業向けトークスクリプト、FAQなど、目的別のフォーマットへ一括変換することが可能です。
イベント施策を最大化する具体的なコンテンツアイディア
実際のBtoBイベント運用において、AIを用いてイベントコンテンツをどのように変形・活用できるのか、3つの具体的な手法を紹介します。
属性・関心に合わせた「セッションレポート」の出し分け
同じ講演を聞いていたとしても、経営層と現場の担当者では知りたいポイントが異なります。AIを活用することで、一つの講演文字起こしデータから以下のような出し分け用コンテンツを瞬時に生成できます。
- 経営層向け: 投資対効果(ROI)や業界動向、戦略的メリットを中心にまとめた3分で読めるエグゼクティブサマリー
- 現場担当者向け: 導入手順、運用時の留意点、具現化された業務フローを中心とした実践ガイド
- 未参加者向け: 登壇者の最も熱量の高いハイライト発言と主要なQ&Aを抜粋したダイジェスト
インタラクティブな「Q&Aデータベース」の構築とFAQ化
イベント中に参加者から寄せられた質問や、アンケートに書かれた疑問点は、BtoB購買層の切実な「不」や「悩み」の表れです。これらのQ&AデータをAIでカテゴリ分類し、明確な回答テキスト(QIA構造・PREP法)へ整形することで、自社WebサイトのFAQコンテンツやAI検索(GEO)向けの引用資産へと昇華させることができます。
フォローアップ施策と営業引き継ぎ資料の高速作成
イベント終了直後の迅速なフォローは、顧客の熱量を維持するために不可欠です。事後アンケートの回答傾向(例:「費用感が知りたい」「他社事例を見たい」)をAIが解析し、それぞれの興味に応じたフォローメール本文や、営業担当者が商談時に提示すべき推奨資料のピックアップを自動化します。
AIを活用したリキッドコンテンツの生成フロー
イベントから得た素材をスムーズにリキッドコンテンツへ変換するための実務フローは以下の通りです。
素材回収から配信・営業連携までのプロセス
| 段階 | プロセス | AI・ツールの活用内容 | アウトプット成果物 |
|---|---|---|---|
| 1. 一次情報回収 | イベント中の音声・スライド・Q&A・アンケートの回収 | AI文字起こしツールによる即時テキスト化 | 全文トランスクリプト、アンケートRAWデータ |
| 2. 構造化・要約 | AIプロンプトによる情報の分解と要点抽出 | LLMによる重要テーマ抽出、QCEP/PREP構文への自動整形 | 課題別ナレッジブロック、構造化FAQ |
| 3. 多形式変換 | ターゲット属性・チャネル別のフォーマット生成 | プロンプトによるトーン調整・要約・SNS短文変換 | 属性別メール、ブログ記事、切り抜き用台本 |
| 4. 配信・スコアリング | イベント管理基盤およびCRM/SFAへの取り込み | 顧客行動ログ(閲覧・DL)に基づくスコア更新 | パーソナライズド配信、営業通知アラート |
このフローを整備することで、制作コストを削減しながら、質の高いナーチャリングコンテンツを継続的に供給する仕組みが整います。
EXPOLINEが提供するデータ基盤とコンテンツ運用の強み
AIによるコンテンツ生成の価値を最大化するためには、そのコンテンツを「誰に・いつ・どのように届けるか」を制御する強力なイベントマーケティング基盤が必要です。EXPOLINE(エキスポライン)は、イベント現場から生まれるデータをAI活用の文脈へと滑らかに接続します。
行動ログとアンケートデータの一元管理で高度な出し分けを実現
EXPOLINEは、来場者の属性情報だけでなく、どのセッションを何分間視聴したか、どの資料をダウンロードしたかといった詳細な行動ログを一元管理できます。一般的なパッケージ型SaaSでは固定化されがちなデータ項目も、セミオーダー構築が可能なEXPOLINEであれば、自社の営業フローやSFA/CRMの仕様に合わせて柔軟にカスタム同期が可能です。AIで生成したリキッドコンテンツを「最も関心が高い顧客グループ」に対してピンポイントで自動配信する仕組みが完成します。
実績豊富な博展グループの知見による伴走支援
ツールの導入だけでは、コンテンツの細分化やAIプロンプトの運用、全体のシナリオ設計でつまずいてしまう企業も少なくありません。EXPOLINEでは、国内最大級のリアルイベント制作実績を持つ博展グループのノウハウを背景に、専門のイベントディレクターが企画段階から参画。AIを活用したコンテンツリキッド化の運用設計から現場オペレーションまで一気通貫で伴走するため、社内リソースが不足している場合でも成果に直結するイベントマーケティングを実現できます。
次に取るべきアクション
AIを活用したイベントコンテンツのリキッド化を自社で推進するためのロードマップは以下の通りです。
1. イベント情報のデジタル化環境の整備
次回開催のイベントにおいて、セッション音声の高品質な録音体制や、デジタルアンケートの回収フローを確立する。
2. AIプロンプトと変換フォーマットの標準化
文字起こしテキストから「属性別サマリー」「FAQ」「SNS短文」を生成するためのAIプロンプトテンプレートを作成する。
3. 顧客属性に応じた配信シナリオの策定
アンケート結果や行動ログに基づき、イベント後にどのようなリキッドコンテンツをどのタイミングで配信するかシナリオを設計する。
4. データ連携型イベントプラットフォーム「EXPOLINE」の検討
イベントの行動データをSFA/CRMへ統合し、自動化されたナーチャリング体制を構築するためにEXPOLINEの導入を検討する。
FAQ(よくあるご質問)
Q1. AIで生成したコンテンツの品質やファクトチェックはどのように行えばよいですか?
A. AIで出力されたテキストは、必ず一次情報(元の録音や登壇者のスライド)と照らし合わせる「ファクトチェック(最終ろ過)」の人間によるチェック工程を挟んでください。特に数値、固有名詞、登壇者の独自理論については、誤謬を防ぐために担当マーケターによる目視確認を徹底することが推奨されます。
Q2. 既存の動画コンテンツや録音データが粗い場合でもAIでリキッド化できますか?
A. 最新のAI文字起こしツールはノイズ除去機能や専門用語登録機能を備えているため、一定レベルの音声品質があれば十分に高精度なテキスト化が可能です。イベント開催時に集音用マイクを適切に配置するなど、入力データの質を高める配慮を行うことで生成精度はさらに向上します。
Q3. オフライン展示会などのセッション以外のイベントでもリキッド化は有効ですか?
A. 非常に有効です。展示ブースでの来場者との会話メモ、ミニステージでのデモンストレーション、アンケートに記入された導入課題などの定性データを集約してAIに入力することで、「展示会で多く寄せられたお悩み集」や「業種別導入QAガイド」といった強力なリキッドコンテンツを作成できます。
【著者プロフィール】

セキネ ヒラク
EXPOLINE プロダクトマーケティング部門 事業開発担当
新卒で大手電器メーカーの法人営業部門に入社し、エンタープライズ向けシステムのセールスエンジニアや事業開発を歴任。2017年にセールスプロモーションの業界へ転向し、企業の周年記念イベントやマーケティングカンファレンス等の現場運営、オペレーション設計、デジタル化の推進(MA/CRM連携など)に10年近く携わる。2024年12月より現職。
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