「UWB」の高精度な位置情報が実現する、展示会・イベントにおける行動の可視化と次世代DX

「UWB」の高精度な位置情報が実現する、展示会・イベントにおける行動の可視化と次世代DX

リアルイベント回帰の中で見えてきた「データ活用」の壁

中島: オンラインのイベントでは来場者の細かな動きや行動履歴をデータとして取得できていましたが、リアルのイベントになるとそれが途端に難しくなります。実際、多くの主催者様がデータ活用に興味をお持ちですが、「事前登録情報(プロファイル)」と「事後アンケート」の2種類をどう効率よく集めるか、という点に終始してしまっているのが現状です。

中島: おっしゃる通りです。上記以外の観点でのデータが取れることがそもそもわかっていないので、そもそも期待値があまり高くないのだと思います。我々は、この期待値の壁をテクノロジーの力で突破し、「イベントで取れるデータはここまで広げられる」ということをお伝えしていきたいと強く考えています。

デジタルエクスペリエンス株式会社 中島

「数センチの誤差」が、来場者の本当の興味をあぶり出す

中島: はい。現在我々が非常に注目し、EXPOLINEとの連携を進めているのが「UWB(Ultra-Wide Band)」という最先端の位置情報テクノロジーです。

中島: これまでもビーコンを使った挑戦的な取り組みはありましたが、どうしてもデータの精度が甘く、営業活動などに直結するビジネスレベルのデータにはなり得ないという大きな課題がありました。しかし、UWBは違います。なんと数センチから数十センチ単位の誤差で、正確な位置情報を個人に紐づけて取得できるのです。

中島: 例えば、展示ブースで2メートル離れて置かれている2つの商品があったとします。ビーコンではどちらの商品に興味があったのかは分かりませんが、UWBなら「AとB、どちらの商品に強く興味を持って立ち止まっていたか」が正確に分かります。これは、イベントにおけるマーケティングデータの価値を劇的に引き上げる、素晴らしい精度だと確信しています。

マクロな「動線」からミクロな「立ち止まり」まで。
実証実験で証明された行動可視化の全貌

中島: はい。我々も関わっている「HOS(HAKUTEN OPEN STUDIO)」というプライベートイベントで、UWBを導入した実証実験を行いました。来場者の方々に「すでにイベント会場でこうしたソリューションが動かせるんですよ」と知っていただく展示としての目的もありました。

実証実験を行った「HAKUTEN OPEN STUDIO」

中島: 大きく2つの視点でデータが取れました。1つ目は全体感の把握です。会場内の人の動線がヒートマップのように可視化され、「このエリアに人が集中している」「ここで人が滞留している」といったマクロな動きがはっきりと分かりました。

中島: はい、それが2つ目の視点です。一個人単位でも追いかけることができ、「この人はこの展示の前で長く立ち止まっていた」というミクロな行動を正確に把握できました。今まで感覚でしか語られなかったものが、ここまで高精度なデータとして取れることの面白さを改めて実感しましたね。

中島: 事前に営業担当者とすり合わせて、「こういったデータが取得できるので、イベント直後にこの情報を使ってアプローチしよう」という落とし込みまでできてこそ、この技術の本当の価値が発揮されると再認識しました。

HOSでのUWB展示

イベント運営は「感覚」から「リアルタイムな最適化」へ

中島: これまで、イベント会場での人の流れは「なんとなくこの辺りが混んでいるな」という感覚でしか語られませんでした。しかし、動線がリアルタイムに可視化されることで、「ここで人が滞留しているから、導線幅をもっと取ろうとか、人気の商品とそうじゃない商品の場所を入れ替えよう」といった対応が即座に打てるようになります。

さらに、この高精度な位置情報を他のシステムと掛け合わせることで、これまでにない新しい体験価値を創出することも可能です。例えば、『特定のお客様がこのブースに来たら、最適なご案内メールを自動配信する』『特定のタグを持った方が近づいた際に、専用ゲートを自動で開く』といったパーソナライズされた演出が考えられます。他にも、指定のエリアに入るだけで自動的にスタンプが押されるデジタルラリーや、LINEと連携した現在地に応じたプッシュ配信、イヤホンマイクを活用した位置連動型の音声ガイドなども実現できるでしょう。単なるデータの取得にとどまらず、位置情報と『何か』を掛け合わせることで、イベントの体験は無限に広がっていくと確信しています。

UWBを活用できるシーンのイメージ

中島: その通りです。さらに、同じ商品でも見せ方の違う2つの看板を置いて「どちらの訴求のほうが人が立ち止まるか」というA/Bテストを、感覚ではなく正確なデータをもとにリアルタイムで行うことも可能になります。パネルの位置を変えれば動線を変えられる、といった当日のレイアウト最適化も進んでいくでしょうね。

合同展示会における「出展者」のメリット:”行動カルテ”が営業を変える

中島: 出展企業にとって最大のメリットは、イベント終了後に来場者一人ひとりの「行動カルテ」のような詳細なデータが得られる点です。 「どのブースの中で、どの展示に何秒滞在したか」が10センチ単位で分かるため、これまでは名刺交換をしただけだった見込み顧客に対しても、「何に強い興味を持っているのか」という優先順位や関心度合いが明確になります。これにより、「この展示を長くご覧になっていましたね」と、非常に精度が高く、相手に寄り添った営業アプローチへと即座に繋げることができるのです。

商談会・カンファレンスにおける「営業担当者」のメリット:VIPのリアルタイムフォロー

中島: 自社イベントにおいては、「リアルタイムな顧客の把握」が劇的なメリットを生みます。 自分がフォローしたいVIP顧客や重要なお客様が、「今、広い会場のどこにいるのか」がリアルタイムで正確に分かります。これまでのように会場内を探し回ったり、すれ違ってしまったりする手間がなくなり、「今あちらにいらっしゃるからご挨拶に行こう」といった緻密なコミュニケーションが可能になります。

また、コンシェルジュが素早くピンポイントでお客様同士をマッチングさせることも容易になり、おもてなしの質が格段に向上します。

連携が生み出す「イベントDXの未来の協創」

中島:イベントDXによる『効率化』は、もはや当たり前の時代になりつつあります。だからこそ私たちは、これまで取れなかった『新しいデータ』の取得に挑戦し、それを来場者への『新しい体験価値』へと昇華させていくことを目指しています。 今回は高精度な位置情報との連携をご紹介しましたが、EXPOLINEの進化はここで終わりません。これからも驚きのある新しい連携アイデアを次々と生み出していきますので、ぜひご期待ください。

中島: まさにその通りです。我々がテクノロジーを提供するだけでなく、イベント全体のプランニングをされる代理店様やイベント会社様、そして熱意ある主催者様と一緒に、「このデータを使ってどんな新しい体験を創れるか」を共に開発していきたいと願っています。

リアルイベントの熱量に、オンライン同等の、あるいはそれ以上の緻密なデータ分析が掛け合わさる。そんな「イベントDXの新しい未来」の協創に少しでもワクワクしていただけたなら、ぜひお気軽にEXPOLINEまでお問い合わせください。皆様のイベントを次の次元へ引き上げるお手伝いができることを、心から楽しみにしています。