結局、優れたイベントマーケティングとは何か?【BtoBイベント編】

結局、優れたイベントマーケティングとは何か?【BtoBイベント編】

今回テーマにするのはBtoBのイベントです。企業が主催する大規模なセミナー・カンファレンスから、商談会、展示会まで様々な形がありますが、結局のところ「良い企画」「成果の出る運営」とは何なのか。ずばり、お話しします。

【結論】

BtoBイベントマーケティングで真に成果を出すためには、以下の3点が不可欠です。

  • 目的・目標(KPI)にこだわり、測定を継続して成果を見ながらPDCAを回すこと
  • マーケと営業が一気通貫で連動し、目標や戦略を実行する体制と方針
  • 目的を軸にした、イベント内の展示やコミュニケーションの企画

そして、これらを「絵に描いた餅」にせず現実のものにするためには、さらに2つの重要な要素がカギを握ります。

  • イベント企画を上流のマーケティングから理解し、企画・実行まで伴走できるパートナーの存在
  • イベントのデータを取得し、成果測定とそのデータ活用ができるシステム基盤

最後のシステム基盤については、私の立場からすると完全に宣伝になってしまいますが、成果を第一に考えるならば、当社の「EXPOLINE」はまさにうってつけの存在です。

以下に、優れたイベントの条件を解き明かしつつ、後半ではその実現のための具体的な方法論に触れていきます。

1. 目的と目標(KPI)の設定と「測定」へのこだわり

まず問いたいのは、イベントの目的をしっかりと定めているか、ということです。

営業目的であれば、その場での名刺獲得だけでなく、その後の受注目標を立てているか。ブランディングや関係深耕が目的ならば、それを測るKPIをきちんと設定しているか。

あまりに惰性でイベントを実施している会社が多すぎるように感じます。

「前回より来場が多ければいい」「何となく受注のきっかけにはなっている」「年次の情報発信の区切りだから」。それでもよいのかもしれませんが、イベントへの投資をさらなる事業の発展に繋げるためには、明確な目的と目標設定、そして執念とも言える「それを測る(測定する)こと」にこだわらなければなりません。

目標が曖昧な施策に投資をし続けるのは、暗闇にお金を投げ捨てているのと同じです。まずは「このイベントでいくらの売上を作るのか」「どんな状態になれば成功なのか」という定量的なゴールを定義し、経年で測定していくことがマストです。

事実、当社の調査データを見ると、外部展示会に出展しても、実に33.3%もの企業が「商談化率の測定・追跡を行っていない」と回答しています。さらに、予算配分などの意思決定において「データを重視している」企業はわずか36.5%にとどまるのが現状です。

できている会社とできていない会社、ここで大きく分かれているんですよね。

2. マーケと営業の分断を壊す「一気通貫」の陣形

目標を定めたら、そのために動く部隊の「一気通貫した指示方針」が必要になります。

現場を見ていると、マーケティング部門だけで頑張っているケースや、逆に営業の要望が企画にまったく反映されていないケースが散見されます。

マーケも営業も同じ、もしくは連動する目標を持ち、きちんと上位から落とし込む。そうすることで初めて、一体となって成果に向けた行動の質が上がるというわけです。

実際の調査でも、自社リアルイベントにおける最大の課題として、32.7%の企業が「営業連携(実施後のフォロー体制や商談化へのつなぎが弱い)」を挙げています。また、獲得したリードの質に対して、営業部門の29.7%が「不満」を抱えており、満足している層(23.7%)を上回る逆転現象すら起きています。

だからこそ、マーケティングの上流から営業の現場まで、全員が同じベクトルを向いて動く体制をつくることが不可欠です。戦略とは「何をやるか」以上に「どう組織を連動させるか」にかかっています。一担当者の立場からすると、上位層への働きかけが非常に重要になります。

3. 「売り込み」を捨て、目的を軸にしたコミュニケーション企画

方針だけではなく、イベントを通じて訴求する内容を戦略的に準備することも大切です。

自社が「売りたいもの」を整理して展示することは、多くの企業がそつなくこなしています。

しかし、見せ方の企画やコミュニケーション、接遇の仕組みになると途端に無頓着になり、個々の営業担当者のスキルに任せきりの状態になる企業が後を絶ちません。

ビジネスの基本は「顧客のニーズや興味を引き出すこと」です。

個人のスキルに頼るのではなく、イベント全体で企画性を持って仕組み化することが何より重要になります。

例えば、ある先進企業は顧客ニーズを引き出すために、「AIによるヒアリング」の仕組みをブースに取り入れています。そのうえで接客に入ったり、効率的に該当する展示へ誘導したりしているのです。

単にヒアリングするだけでなく、診断の表現を「医者の問診」のように工夫し、楽しませるクリエイティブと連動させている見事な例もあります。

最近では、アンケートはもちろん、ヒアリング内容を音声AIで記録して自動でデータベース(DB)に入力する仕組みも始まっています。

来場した重要顧客を担当営業にリアルタイムで知らせるアプリを駆使し、接客のクオリティを底上げする仕組みもあります。

目標、展示クリエイティブ、ニーズヒアリング、接遇。これらを「一連の体験として企画」すること。そして、それが現場で確実に機能するように徹底した指示と評価を行うことが、成功の絶対条件です。

4. 【独自データ】勝敗を分ける「データ・行動ログ」の活用実態

イベント施策で高い成果を出している企業には、ある明確な共通点があります。それは、来場者の行動ログをはじめとする「データ」を重視し、それを軸にしたコミュニケーション基盤に投資しているというファクトです。当社が実施した『BtoBイベントマーケティング実態調査 2026』のデータをお見せします。

【イベントマーケティング調査結果から見るデータの重要性】

  • DX・システム投資強化層は「データ重視」:今年度の予算方針でDXツールやシステム投資を強化する企業は、「データ重視派」が牽引(20.9%)しています。
  • 現状維持層は「慣例依存」:一方、前年度と同方針を維持する層は、意思決定基準が「どちらとも言えない(慣例や勘に依存)」とする割合が22.4%と突出しています。
  • 費用対効果(ROI)の可視化が急務:外部展示会では「費用に見合う成果が得られない(26.3%)」「売上貢献の評価が難しい(23.0%)」という課題が山積しています。

つまり、名刺交換や静的なアンケートだけで満足している企業は、費用対効果の証明に苦しみ、ジリ貧になっています。顧客がどの展示に興味を持ったのかという動的なアクションデータ(行動ログ)を取得・DB化し、商談に繋げる仕組みを持つ企業が、これからのイベントマーケティングを制していくのです。

5. 成果を出すためのパートナー選びと「EXPOLINE」の真価

ここまで述べてきた企画内容や体制を絵に描いた餅にしないためには、総合的な仕上がりが求められます。それを「どういう体制でやるか」が最大の肝です。

イベントの企画面や販売戦略そのものは主催側(自社)で深く考えるべきですが、クリエイティブや実行フェーズにおいてはパートナー選びが命運を分けます。単なる運営や施工だけを行う制作会社では不十分ですし、大手代理店では現場の泥臭い運用面でミスマッチが起きることもあります。求めるべきは、「マーケティングの上流戦略から共に考えられるイベント企画会社」です。

そして同時に、これらを実現する「システム」の存在が不可欠になります。

アプリやWEBの企画・設計が優れていること。使う人の利便性や魅力があること。顧客の行動ログなどのアクションデータを取得し、DB化・活用できること。単なる運営のDX化にとどまらない、成果を第一に考えたシステムが絶対に必要なのです。

手前味噌になりますが、当社の提供するイベント統合プラットフォーム「EXPOLINE」は、まさにそれにうってつけの存在だと言えます。

カスタマイズ性が非常に高く、基本的な申込管理にとどまらず、各社のイベント企画に合わせた機能拡張を強みとしています。前述したAIを活用したレコメンドやヒアリング機能も充実しており、スムーズな実装が可能です。

システム構築を提供するだけでなく、イベント企画の上流からご相談に乗ることができ、システムの実装運用までフルフィルメントで伴走できるのが私たちの誇りです。

6. 未来を変える、部分的な改善ステップ

いきなり、高度な企画からシステム実装までを一気に進めるのはハードルが高いかもしれません。

ですから、まずは部分的な改善からスタートすることをお勧めします。ただし、「目的・KPIを定めること」と「成果(商談数や受注数)を経年で測定していくこと」の2点は、マストで始めてみてください。

改善ステップ実施内容期待される成果
Step 1: 定義受注・商談数を追うKPIの設定と、マーケ・営業の共通目標化組織内のベクトルの一致
Step 2: 取得アンケート+行動ログデータの収集開始顧客ニーズの解像度向上
Step 3: 自動化AI診断や「EXPOLINE」等のシステム連携による体験向上商談率・受注率の大幅改善

イベントマーケティングの先進企業は、すでにこのサイクルを回し始めています。

無頓着に「例年通り」を続けていると、今後埋めようのない大きな差が開いてしまうでしょう。イケてる企業は、もう当たり前のようにやっていることなんです。

企画のポイントから、それを実現する体制やシステムのお話をさせていただきましたが、いかがだったでしょうか。

本気で成果の出るイベントマーケティングを追求したいとお考えなら、ぜひ一度、当社にご相談ください。私宛に直接お声がけいただいても構いません。一緒に、本当に勝てるイベントを作り上げていきましょう。

参照資料|BtoBイベントマーケティング実態調査<Vol.1 総合実態編>

【著者プロフィール】

田上 裕起(たのうえ・ゆうき)

EXPOLINE 責任者(デジタルエクスペリエンス 執行役員)

イベント企画制作の「博展」で、長年イベントプロモーションやBtoBブランディングの最前線を駆け抜けてきました。そして今、イベント業界を本気でDXすべく、ここデジタルエクスペリエンスにやってまいりました。数多のイベントを企画し、多くのクライアント企業と伴走した経験をもとに、忖度なしで語らせていただきます。