目次
はじめに
マーケティング施策のひとつである展示会出展。名刺の獲得枚数をKPI(重要業績評価指標)としている企業様も多いと思いますが、それと同等に、もしくはそれ以上に「ヒアリングシート」の枚数をKPIとしている企業様も多いのではないでしょうか?
来場者の質を見分けたり、ランク付けして展示会後に効果的にナーチャリングを行うためには、来場者から多くの情報を引き出して記録するヒアリングシートの活用が欠かせません。
本記事では、展示会におけるヒアリングシートとアンケートの違いや、ヒアリングシートを活用すべき理由・導入メリットを解説し、実際の展示会でご利用可能なヒアリングシートのテンプレートも提供いたします。
>> 展示会ヒアリングシートのテンプレートのダウンロードはこちら
また、展示会で効果的なヒアリングシートの活用を検討しているなら『Anky』がおすすめです。
iPad/iPhoneで撮影した名刺の個人情報とヒアリングシートの内容を紐づけて自動で集計することができるため、展示会終了後にスムーズに営業活動を行うことが可能になります。
展示会ヒアリングシートとは?
まず前提として、展示会における「ヒアリングシート」とは何なのか、よく同列のものとして挙げられる「アンケート」との違いを踏まえて解説いたします。
【目的の違い】
ヒアリングシートは、来場者との具体的な商談や提案を目的とした情報収集ツールです。来場者の課題やニーズを深く掘り下げ、解決策(提案内容・御見積等)を提示するための「個別対応」用の情報取集が目的となります。
一方、アンケートは、展示会全体や特定の製品・サービスに対する意見や感想、満足度を広く収集し、今後の改善や戦略立案の参考にするためのデータ収集ツールです。個別対応というより「全体的把握」が目的として活用されます。
【質問内容の違い】
ヒアリングシートは、個別のニーズに応じた質問項目が含まれており、商談相手との対話の中で使用されます。具体的な質問例として「現在の課題は何か」「予算や導入時期の希望は」といった詳細な内容が含まれます。
これに対し、アンケートは、多くの来場者から統一的な回答を得るため、選択式や短い自由記述形式の質問が中心です。「展示会の満足度」や「興味を持った製品」など広範なテーマが扱われることが多いです。
【利用シーンの違い】
ヒアリングシートは、商談や詳細な聞き取りを行う営業担当者が主に利用し、その場で記録をとることが多いです。
一方、アンケートは来場者自身に記入・入力をして頂くもので、出展ブースのアンケート回答コーナーや展示会場の出口、オンラインフォームなどを通じて広く配布されるケースが多いです。
このように、展示会ヒアリングシートは「出展者が記入する個別対応の内容」、展示会アンケートは「来場者自身が回答する全体的把握の為のデータ」となっており、それぞれ役割が異なります。
ヒアリングシートを活用すべき理由・導入メリット
マーケティング施策のひとつとして企業が展示会に出展する際に、ヒアリングシートを活用すべき理由として、下記の3点を挙げることができます。
来場者(潜在顧客)のニーズを正確に把握することが可能
ヒアリングシートを活用することで、来場者がどのような課題を抱え、何に興味を持っているのかを詳細に記録できます。展示会場では短い時間で多くの人と接触するため、口頭だけでは把握しきれない情報を効率的に収集・記録することが重要です。
例えば、「どの業界に属しているのか」「役職者か否か」「展示会の参加目的はなにか」「どういった目的でブースに立ち寄ってくれたのか」「現在抱えている課題は何か」「当社製品にどのような期待を持っているのか」など、具体的な質問を通じて、来場者の本音を引き出すことが可能です。
これにより、展示会当日にその場で顧客ニーズに応じた的確な提案を行えるだけでなく、展示会後に集めたデータを基にした分析も可能になります。例えば、特定の製品に高い関心を示した顧客層や、特定の課題に困っている業界が浮き彫りになることで、製品開発や営業戦略の方向性を明確にすることができます。
さらに、来場者自身も、自分のニーズが企業に正しく理解されることで、より深い信頼感を抱き、商談につながりやすくなります。このように、ヒアリングシートは企業と来場者(潜在顧客)の「理解の架け橋」として機能し、展示会で得られる成果の質を向上させる重要なツールと言えます。
展示会のフォローアップを効率化することが可能
展示会のフォローアップを効率化するために、ヒアリングシートは非常に重要な役割を果たします。
まず、来場者自身に記入いただくアンケートと違い、ヒアリングシートは会話の中で出展者自らが記入することで、接客後にアンケートに回答をするという「来場者の手間を無くす」ことができるため、時間の短縮と取得できる情報量を増やすことを実現できます。
また、ヒアリングシートの項目を事前にしっかり決めておくことで、接客担当者ごとヒアリング内容のブレ(スキルによる得る情報量の差)を抑えることが可能です。
展示会後はヒアリングシートで得た情報に基づいて、来場者が「即時対応が必要な見込み顧客」なのか、それとも「長期的なフォローが必要な潜在顧客」なのか分類することができます。この情報に基づき、リードの優先順位を決定し、リソースを最も効率的に配分することが可能になります。
また、ヒアリングシートの内容に基づいたフォローアップメールや適切な資料を迅速に送付することで、来場者に対する印象を強化し、商談化率やその先の成約率の向上に繋がることが期待されます。
このように、ヒアリングシートはフォローアップの効果を最大化し、展示会で得たリードを成約に結びつけるための欠かせないツールとして機能します。
データ分析による戦略改善が可能
展示会におけるヒアリングシートの活用は、単なる情報収集にとどまらず、後のデータ分析を通じて出展戦略や営業活動の改善につながります。
展示会は、多くの来場者が一堂に会し、企業にとって貴重な市場調査の機会でもあります。ヒアリングシートを使って収集した来場者情報や関心事を体系的にデータ化・分析することで、顧客の傾向や市場の動向を把握することが可能になります。
例えば、ヒアリングシートに記録された顧客の業種・職種・役職を分析することで、出展ブースに訪れたターゲット層が期待通りのものであったかを検証できます。
また、来場者が最も興味を示した製品やサービス、課題の記述を抽出すれば、自社の強みや改善点、今後注力すべき商材の方向性も明確になります。特に、顧客が直面している具体的な課題やニーズを集計することで、今後の製品開発や提案内容に反映させることも可能です。
このように、ヒアリングシートを活用して得られたデータは、単なる来場者の記録にとどまらず、出展戦略の精度向上、営業活動の効率化、マーケティング施策の最適化といった形で企業の成長につながる重要な資産となり得るのです。
展示会でヒアリングすべきこと【5つのポイント】
展示会で出展者が来場者にヒアリングすべきこととして、下記の5点が挙げられます。
1. 来場者の(個人)情報
2. 来場目的
3. 課題やニーズ
4. 興味のある商品(サービス)
5. 今後の対応(見積希望、面談希望 など)
来場者の個人情報
来場者の個人情報の取得は、後のフォローアップに欠かせません。具体的には会社名、氏名、部署、役職、連絡先(電話番号、メールアドレス)などを確認します。また、来場者の権限や役割(製品導入の決裁権を持つのか、提案を収集する担当者なのか)も把握することが望ましいです。
これにより、ターゲット層との接点を明確にし、具体的な対応が可能となります。ただし、個人情報保護法を考慮し、情報収集の際には事前に許可を得ることや、用途を明確に伝えることが重要です。名刺交換やヒアリングフォームの活用を通じて、無理なく情報を収集できる方法を取り入れると良いでしょう。
来場目的
来場者が展示会に参加した理由を理解することで、適切なアプローチを行うことができます。例えば、「情報収集」「具体的な製品比較」「導入のための検討」など、目的を尋ねることで来場者の意識の深度を測れます。
また、業界トレンドの把握や競合製品のリサーチが目的の場合もあるため、それに応じた情報提供を行うことで来場者の満足度を高めるとともに、関係性の構築につながります。
課題やニーズ
来場者が直面している具体的な課題やニーズを聞き出すことは、効果的な提案を行う上で重要です。課題としては、「業務効率化」「コスト削減」「市場シェア拡大」などが挙げられるかもしれません。
これに加え、来場者が解決に期待する方法やすでに検討中のソリューションについても尋ねることで、競合状況や具体的なニーズを把握できます。質問を具体化することで、来場者にとって自社製品がどのように役立つかを示しやすくなり、結果的に信頼性の向上と契約獲得の可能性が高まります。
興味のある製品(サービス)
展示している製品やサービスに対して、どの程度興味があるのかを確認することは商談を進めるうえで重要です。具体的には、製品のどの特徴に関心を持っているのか、どの機能が自社の課題解決に役立ちそうかを尋ねます。
また、来場者が競合製品と比較しているポイントや、具体的な導入要件についてもヒアリングすると、購入決定の際の判断基準が明確になります。デモンストレーションの感想や追加要望のリクエストもヒアリングすることで、来場者がどの程度興味を持っているかを的確に判断する材料となります。
今後の対応(見積希望・面談希望など)
来場者が展示会後に期待する対応内容を明確にすることは、効率的なフォローアップにつながります。具体的には、見積書や提案資料の送付を希望するのか、直接訪問やオンライン面談を希望するのかなどを確認します。
また、フォローアップのタイミングについても来場者の都合を聞いておくと、展示会終了後にスムーズな対応が可能になります。来場者の希望に応じた迅速な対応は、信頼関係の構築に一役買い、商談成立の可能性を高めるポイントとなります。
これらの5つのポイントを抑えた上で展示会では来場者にヒアリングを行ってみましょう。
展示会ヒアリングシートのテンプレート
前章で述べた5つのポイントを抑えた展示会ヒアリングシートのテンプレートについて、下記よりダウンロードが可能です。
>> 展示会ヒアリングシートのテンプレートのダウンロードはこちら
上記のテンプレートをベースにして頂き、ヒアリング項目についてカスタマイズのうえ、是非、展示会出展時にご活用ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
上記でご説明差し上げた通り、BtoBイベントの成功のためには、ヒアリングシートの実施が非常に重要で、参加企業やターゲット顧客のニーズを的確に把握し、効果的な施策を打ち出すために欠かせないツールです。
ヒアリングシートを活用することで、顧客の課題や目的を明確化し、イベント内での商談や提案の精度を高められるだけでなく、事後フォローの質も向上します。加えて、収集したデータは今後のイベント企画やマーケティング戦略にも活用可能であり、企業の成長に寄与します。
また、展示会で効果的なヒアリングシートの活用を検討しているなら、紙のヒアリングシートの煩雑な事前準備・事後集計が不要なデジタルヒアリングシートツールの『Anky』がおすすめです。iPad/iPhoneで撮影した名刺の個人情報とヒアリングシートの内容を紐づけて自動で集計することができるため、展示会終了後にスムーズに営業活動を行うことが可能になります。