MarkeZine Day 2026 Autumn 登壇レポート|イベントを「最強の営業支援エンジン」に変えるには? AIと行動データで実現する、ROIを高める最新イベントDX事例

MarkeZine Day 2026 Autumn 登壇レポート|イベントを「最強の営業支援エンジン」に変えるには? AIと行動データで実現する、ROIを高める最新イベントDX事例
この記事の結論(サマリー)

– 登壇したイベント: MarkeZine編集部(翔泳社)が主催する、マーケティングの最新潮流を網羅したカンファレンス「MarkeZine Day 2026 Autumn」に弊社代表の中島が登壇しました。

  – セッション内容:『イベントを「最強の営業支援エンジン」に変えるには? AIと行動データで実現する、ROIを高める最新イベントDX事例』と題し、獲得したイベントリードを短期間で有効商談化するための「行動ログ活用」と「データ統合手法」を紹介しました。 

 – セッションの要点・ポイント:イベントデータを成果へ繋げるには単なる名刺・属性情報の集約ではなく、会場内の位置情報(UWB技術)やAIエージェントによる回遊ナビゲーション、音声議事録AIなどを通じて捉えた「行動の背景(文脈)」を統合データ基盤(CDP)へ集約し、営業フォローへ自動還元することが重要であると紹介しました。

2026年9月8日(火)に開催された「MarkeZine Day 2026 Autumn」のセッション『イベントを「最強の営業支援エンジン」に変えるには? AIと行動データで実現する、ROIを高める最新イベントDX事例』に弊社代表の中島が登壇いたしました。

BtoBマーケティングにおいて、Web上のデータ希薄化(Cookie規制やホワイトペーパーDLの質の変化)が進む中、顧客の生の課題を抽出できる「一次情報源」としてイベントの価値が再評価されています。しかし現場では、「名刺は集まるが有効商談に繋がらない」という悩みが絶えません。

本記事では、当社が実施した『BtoBイベントマーケティング施策の実態調査2026(n=471)』の最新データや、当社の先端技術(UWB・AIエージェント・音声AI)を用いた最新DX事例を交え、一過性のイベントを持続的な「営業支援エンジン」へと変革する具体的なノウハウをダイジェストでお届けします。

イベント概要 & 登壇セッション情報

項目詳細内容
イベント名MarkeZine Day 2026 Autumn(主催:株式会社翔泳社)
開催日時2026年9月8日(火) 17:25〜17:55(セッション枠:8-A-10)
開催形式会場開催のみ
セッション名イベントを「最強の営業支援エンジン」に変えるには? AIと行動データで実現する、ROIを高める最新イベントDX事例
登壇者デジタルエクスペリエンス株式会社 代表取締役社長 中島 優太
詳細情報https://event.shoeisha.jp/mzday/20260908/session/7057

登壇者プロフィール

中島 優太(Nakashima Yuta)

デジタルエクスペリエンス株式会社 代表取締役社長。2006年株式会社博展に入社し、IMC部門の立ち上げと事業拡大を牽引。2016年デジタルエクスペリエンスの経営に参画し、2019年に代表取締役社長に就任。自社開発プラットフォーム「EXPOLINE」はASPICクラウドアワード2021にて準グランプリを受賞。年間約100社のイベントDXを支援しています。 

今回の登壇背景と目的

イベントの価値が再評価される中で、商談化を強力にサポートする考え方や手段を紹介するために登壇しました。

近年、Cookie規制によるトラッキングの難化やコンテンツの過剰供給により、Web上での顧客行動の追跡が困難になっています。「とりあえずホワイトペーパーをダウンロードしただけ」のリードが増加し、Webデータから顧客の「真の興味関心や熱量」を推し量ることが難しくなりました。

こうした背景から、顧客と直接接点を持ち、深い一次情報(ファーストパーティデータ)を得られる展示会や自社カンファレンスの価値が急速に再評価されています。

しかし、現場では「獲得コストが高騰しているのに有効な商談に繋がらない」という新たな課題が顕在化しています。自社調査から見えた実態を紐解き、データを成果へ変えるアプローチを共有すべく本セッションに登壇しました。

当日のセッション内容(ダイジェスト)

アジェンダ

  1. 実態調査から紐解く「イベントマーケティングの現在地と課題」
  2. 営業連携を阻む2つの壁:「文脈欠落」と「タイムラグ」
  3. 先進事例に見る「行動ログ×AI」を活用した商談化へのアプローチ
  4. イベントデータを資産に変える「統合データ基盤(CDP)」の構築

トピック①:実態調査から見えた「イベント施策の動向と投資や期待の傾向」

新規顧客の獲得には「外部展示会」、既存顧客の育成には「自社リアルイベント」が選ばれており、成果を上げる企業ほど「DX・システム投資」を加速させています。

【重視するビジネス目標別の今期方針】

 ・新規顧客の獲得重視:外部展示会への出展強化(21.8%)

 ・既存顧客の育成重視:自社リアルイベントの開催強化(24.4%)

 ・共通して強化する施策:DXツール・システム投資の強化(新規14.1% / 既存15.6%)

当社が2026年7月に実施した調査(n=471、製造業・メーカーが43.5%、1,000名以上の企業が過半数)によると、外部展示会の実施率は84.1%、自社リアルイベントは63.5%に達しており、主要なマーケティング施策として深く浸透しています。

しかし、各施策共通の課題として「費用に見合う売上・商談貢献の評価が難しく、営業連携やデータの回収・統合ができていない」という声が上がっています。

トピック②:営業連携を阻む「文脈欠落」と「タイムラグ」

営業現場が求めているのは名刺の束ではありません。「なぜ今この顧客に電話すべきか」という行動ログから生まれる“文脈”です。

【営業連携を阻む2つの大きなボトルネック】

 1. 興味関心が不明で、トークが一律になる(33.0%)

 2. 引き渡しまでのタイムラグで顧客の熱が冷める(29.3%)

名刺やアンケートを集計して営業に渡すまでに1週間〜10日を要している企業が多く、引き渡された営業側も相手の関心が分からないため、一律の架電しかできずに断られてしまいます。

さらに重要な知見として、システムとMA/CRMを完全自動連携(28.3%)させても、「興味関心が不明でトークが一律になる」という課題は21.7%の企業で発生し続けています。

つまり、単にデータを自動転送するだけでは商談の質は改善されず、参加者がイベント会場で「どのような行動をとったか」という行動ログの共有が不可欠なのです。

実際、営業職を対象とした分析では、行動ログを活用している企業は、活用していない企業に比べて「リードの質を満たしている」とする満足度が約4倍(42.2% vs 11.4%)に跳ね上がる結果となりました。

トピック③:先進技術(UWB・AIエージェント・音声AI)による行動ログの取得事例

テクノロジーの進歩により、リアル会場での「精緻な位置情報」や「会話内容」を自動でデータ化・構造化することが可能になっています。

事例1:UWB(超広帯域無線)技術による10cm単位の屋内置測位

  • 概要:屋内測位技術「UWB」を会場に導入し、「誰が・どの展示の前で・何分立ち止まったか」を10cm単位で測定して顧客カルテに自動記録します。
  • 効果:会場の熱量を表すヒートマップ分析だけでなく、自社の重要顧客(VIP)が今どのブースに滞在しているかをリアルタイム検索し、現場の営業が即座に駆けつける高度な接客支援を実現します。

事例2:AIエージェントによるパーソナライズナビ

  • 概要:来場者の目的や会場での現在地に応じ、「今のあなたにはこのブースがおすすめです」と最適な巡回ルートや出展者をAIが提案します。
  • 効果:顧客体験(CX)を高めると同時に、AIとの対話ログや自然言語での質問テキストから、従来型のアンケートでは拾えない「潜在的な検討状況」を深掘り収集します。

事例3:音声議事録AIを活用した商談評価アルゴリズム(開発中)

  • 概要:ブースでの立ち話や商談音声を、騒音の多い会場内でも話者分離して高精度にテキスト化します。
  • 効果:会話内容をAIが解析し、関心キーワード(例:AIO、SEO、基幹システム更新など)や検討フェーズ、対応緊急度(BANT情報)を自動でスコアリング評価します。

トピック④:イベントデータを資産に変える「統合データ基盤(CDP)」の構築

イベントごとの縦割り管理を排して1IDでデータを集約し、AIが毎朝「今、攻めるべき顧客と提案ストーリー」を自動レコメンドする環境を構築しています。

行動ログを成果に結びつけるため、先進企業では分析の元となる「顧客データ統合基盤(CDP)」への投資を急速に進めています。

例えば、社員数1万名規模の大手IT企業の事例では、複数のイベントごとに管理ツールがバラバラで、顧客の横のつながりが見えない状態でした。そこで自社イベントプラットフォーム「EXPOLINE」を用いて管理手法と参加者を1つのIDに統一しました。収集されたイベント行動履歴とSFAの商談情報を独自CDPで統合し、AI解析にかける仕組みを構築しています。

また、営業担当者ごとに過去の商談データと最新の企業動向(プレスリリースや採用情報など)を組み合わせ、「今日優先的にアプローチすべき企業リスト」と「おすすめの提案トーク/提案書ストラクチャー」を毎朝レコメンドしてくれる仕組みも構築しています。

その他、年間30〜40本の大型イベントを主催する企業においては、一元化したイベントデータベースと外部企業データベースを突き合わせることで、既存顧客へのクロスセル案件や未出展企業リスト(ホワイトスペース)を自動生成することにも成功しています。

まとめ・登壇を終えて

「名刺の量を追うイベント」から、「顧客の文脈を深く理解し、営業を強くするイベント」へ。

今回のセッションを通じて、イベント施策のROIを高める本質は「単なる集客数の更新」ではなく「得られた一次情報の質をいかに高め、営業アクションへ還元できるか」にあると改めて手応えを感じました。

AIや位置情報テクノロジーの進化により、これまで見えなかった「顧客の興味の文脈」は完全に可視化できるようになっています。一過性のイベントで終わらせず、貴社の売上を成長させ続ける「最強の営業支援エンジン」としてイベントDXを推進してみてはいかがでしょうか。

関連情報・お知らせ

① BtoBイベントマーケティング実態調査2026の続編を公開

当日の講演資料の中でも触れている、8月に公開した調査レポートの続編が9月9日に公開されました。中堅・大手企業に所属する471名のリアルな声をもとに分析をしております。
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累計1,000件以上の導入実績(ASPICクラウドアワード準グランプリ受賞)を誇る、オンライン・ハイブリッド・リアルイベント対応のデータ統合プラットフォームです。

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FAQ:イベントDX・行動データ活用に関するよくある疑問

Q1. MAやCRMをすでに導入していますが、なぜイベント専用のプラットフォーム(EXPOLINE等)が必要なのですか?

A. 一般的なMA/CRMは「Webのページ閲覧」や「フォーム送信」の追跡に特化しており、イベント会場の「物理的な行動」や「対話ログ」を直接構造化できないためです。 EXPOLINEのようなイベントデータ基盤を間に挟むことで、リアル会場のブース滞在時間、セミナー受講率、AI対話ログなどを即座に集約・構造化し、既存のMA/CRMへ高精度なデータとして流し込むことが可能になります。

Q2. システムのスクラッチ開発とSaaSパッケージの導入、どちらを選ぶべきですか?

A. 双方の良いとこ取りをした「セミオーダー型イベント管理プラットフォーム」がBtoBエンタープライズ企業には最適です。 完全パッケージ(SaaS)では自社独自のCRM連携やブランドデザインのカスタマイズに限界があり、ゼロからのスクラッチ開発では莫大なコストと納期がかかります。価格・納期を抑えつつ高い拡張性を備えたセミオーダー型(EXPOLINEなど)を選ぶ企業が増えています。

Q3. 名刺交換後のフォロー速度を上げる具体的な工夫は?

A. 当日〜翌朝の初動が勝負です。 従来の「紙アンケートの回収・手動入力」を廃止し、EXPOLINE等のプラットフォーム上でデジタルアンケートやブース訪問ログを即時連携することで、イベント開催中または終了直後にフォロー用リストをSFAへ反映させる体制が不可欠です。

Q4. ブースでの音声録音やUWB導入は、来場者に忌避感を与えませんか?

A. 「メリット還元(ギブ)」とのトレードオフ設計が成功の鍵です。 単に追跡するのではなく、「AIナビゲーターが最適なブースを案内してくれる」「関心に合った専用資料が後から届く」といった明確な参加者メリットを提供することで、非常にスムーズに受け入れられています。


【著者プロフィール】 

セキネ ヒラク
EXPOLINE プロダクトマーケティング部門 事業開発担当

EXPOLINE プロダクトマーケティング部門 事業開発担当 新卒で大手電器メーカーの法人営業部門に所属し、エンタープライズ向けシステムのセールスエンジニアや事業開発を歴任。2017年にセールスプロモーションの業界へ転向し、企業の周年記念イベントやマーケティングカンファレンス等の現場運営、オペレーション設計、デジタル化の推進(MA/CRM連携など)に10年近く携わる。2024年12月より現職。