展示会を成功に導くための裏側には、来場者と出展者をスムーズに繋ぎ、イベントを安全かつ快適に運営するためのシステム基盤が必要不可欠です。イベントの規模が拡大するにつれて、アクセスの集中に耐えうる「システムの安定性」や、独自の運用フローに合わせた「柔軟なカスタマイズ性」がこれまで以上に求められるようになります。
今回は、「Sea Japan」や「バリシップ」など、業界を牽引する国際的な大型展示会を多数主催されている、インフォーママーケッツジャパン株式会社のオペレーションリーダー 両角大樹様にお話を伺いました。
今後のさらなるイベント展開や社内の業務標準化を見据え、システム環境の抜本的なアップデートに踏み切った同社。「システムは作って終わりではなく、共に課題解決に向き合ってくれるパートナーが必要不可欠」と語る両角様に、新たなプラットフォーム選定の決め手や導入後の変化、そしてこれから目指す展示会の未来について語っていただきました。
企業・担当者紹介
■クライアント:インフォーママーケッツジャパン株式会社
「Sea Japan」や「バリシップ」をはじめとする国際的なBtoB大型展示会を多数主催・運営。来場者と出展者にとって価値ある場を提供し続けています。
■ご担当者様(以下、敬称略)
両角 大樹 氏( 第二事業部 / オペレーションリーダー)
■システム提供:デジタルエクスペリエンス株式会社
営業担当: Market Development 課 山田
インタビュアー:Marketing Unit 水口
【導入前の課題】見えない機会損失を防ぎ、来場者との接点を守るための決断
ー以前のシステムをご利用されていた際、アクセス集中によるエラーなどの技術的な課題があったと伺っています。具体的にどのような影響が出ていたのでしょうか?
両角様:一番大きな問題としては、展示会の開催直前でウェブページにアクセスできなくなってしまったことです。これまで使用していたシステムの不安定さが原因で、来場を検討されている方が展示会の情報を得られなかったり、事前登録ができない状態が続いてしまうことがありました。
もちろん、ウェブページへのアクセスができないことで離脱してしまった方もいらっしゃったと思います。我々主催者としては、「来場いただけるはずだった貴重なバイヤーの方々を逃してしまっている可能性」があることが、非常に心苦しい状況でした。
ーせっかくご興味を持っていただいた方を逃してしまうのは、とても苦しい状況ですね。日常的なイベント運営の業務においては、何かお困りのことはありましたか?
両角様:システムの改修をお願いしたい時に、どうしても「イベント特有の専門用語」が伝わらず、一から噛み砕いて細かく説明しなければいけないというコミュニケーションの壁がありました。 以前のシステムも日常の運営はなんとか回せていたのですが、エラーの根本的な原因特定が難しかったり、テキストベースのやり取りが中心で意思疎通に時間がかかってしまったりと、繁忙期での負担が積み重なっていたのです。「このままでは現場の負担が増え続けてしまう」という強い危機感があり、イベント運営の現場を理解し、一緒に伴走してくれる新しいパートナーを探すことになりました。

サービスの選定理由は「展示会の“共通言語”で話せるパートナー」
ーシステムのリプレイスにあたり、他社のサービスも比較検討されたかと思います。その中で、最終的に弊社のプラットフォームをお選びいただいた決め手は何だったのでしょうか?
両角様:他社のシステムの中には、パッケージとして完成されていて価格が安く抑えられるものもありました。ただ、そこで「必要な機能を諦めて安さを取るのか、それとも費用をかけてでも、しっかりと我々の思い通りの機能を実装し、来場者と出展者双方の利便性を高めるのか」という選択が必要になりました。
我々にとっては、やはり「自社のイベントにしっかりとフィットさせられる柔軟性」が非常に重要なポイントでした。
加えて大きかったのが、貴社の親会社がイベント会社(株式会社博展)であるというバックグラウンドが大きな安心感を生みました。システムを構築していくにあたって、「イベント用語での意思疎通がスムーズにできたこと」は本当に助かりました。私たちが実現したい方向性をすぐに理解していただけましたし、担当の方のフットワークが軽く、レスポンスが早かったのも大変好印象でしたね。
ーコミュニケーションのしやすさを評価していただけて大変光栄です。複数の展示会を主催されているからこそ「規模感」なども選定のポイントになったのでしょうか?
両角様:そうですね。今後、複数のイベントに本システムを展開していった時に、果たしてそのシステム会社がしっかりと対応しきれるのか、という点は重要な観点でした。
現在、さまざまなベンダーさんに委託している状況を標準化していきたいという会社の指針がある中で、「規模感も含めて包括的にお任せできる体制があるか」どうか。御社はこれまで大規模な合同展示会やカンファレンスなどを多数サポートした実績がありましたので、それらを踏まえて、御社にお願いするのが一番良いという結論に至りました。

【導入プロセスと苦労】イベント特有の「スピード感」への理解が、タイトなスケジュールを救った
ー 実際にシステムの導入を進めていく中で、何か障壁や苦労された点はありましたか?
両角様:我々の社内での要件定義に時間を要してしまい、開発への「GOサイン」を出すタイミングが少し遅れてしまった部分がありました。加えて、我々自身にシステム的な深い知見があったわけではないため、出来上がったものに対して後から「やっぱりこうしてほしい」と要望を出してしまうこともあったんです。
ー イベントはどうしてもスケジュールがタイトになりがちですよね。それをどのように乗り越えられたのでしょうか?
両角様:そこはまさに、御社が「イベント特有のスピード感や、刻一刻と状況が変化する現場の慌ただしさ」を深く理解してくださっていたことに救われました。一般的なシステムベンダーさんだと、「あらかじめ設定されたスケジュール通りに仕様を確定していただかないと対応できない」となってしまうことも多いと思うのですが、御社の場合は違いました。
ある程度の状態のものをスピーディーに作り上げて提案してくださったおかげで、我々も完成形をイメージしやすく、そこから修正をかける形でスムーズに進行できました。結果として、無事に希望のスケジュール通りにオープンを間に合わせることができました。イベント現場の動きを分かっているからこその、柔軟な対応だったと感じています。
【導入後の効果】社内からも「見やすく・使いやすくなった」と好評
ー 実際にシステムが稼働してからの効果についてお伺いします。運用されてみて、定性的な変化や現場の皆様の反応はいかがでしたか?
両角様:まず何より大きかったのは、以前のような「原因不明のエラー」がなくなったことです。オープン直後には多少の確認事項などはありましたが、即座に原因を特定して改修していただけたので、運用していく中でトラブルや問い合わせがどんどん減っていきました。
「原因がわからない、どうしたらいいかわからない」という状態がなくなったことで、運営面でのストレスが格段に減ったのは本当に大きな成果です。次回のイベントでは、今回構築したものを流用してトラブルのない状態からスタートできるので、さらにストレスフリーな運営ができると確信しています。
ー 社内の他のメンバーの方々からの声はいかがでしょうか?
両角様:社内からは「デザインが見やすくなった」と非常に好評です。来場登録やセミナーのページが見違えるように良くなりましたね。
また、管理画面のほうも実際に情報を入力するメンバーから「圧倒的に入力しやすくなった」という声が上がっています。以前は、例えばセミナーの登壇人数が変わるたびに改修が必要になるなど、仕様上の制約を感じる場面がありました。しかし今回は、過去の課題を踏まえて『登壇者数に応じた柔軟なレイアウト変更』といった現場の具体的な運用要件を事前にすり合わせ、システムに組み込んでいただいたおかげで、現場の使い勝手も大きく向上しました。

【今後の展望】強固な基盤を横展開し、最新技術も取り入れた次世代の展示会運営へ
ー 最後に、今後の展望やこれから挑戦していきたいことについてお聞かせください。
両角様:弊社は世界最大手の展示会主催会社であり、海外では内製の展示会システムを複数所有しています。それらを日本に導入していくとともに、国内の展示会ニーズに応えていくためには、日本独自のシステム導入が欠かせません。今回のEXPOLINE導入は、国内ニーズに応えられるフレキシブルなシステム構築の第一歩だと考えています。今後は、今回構築したシステム基盤を他の展示会にも横展開し、使い勝手やコスト効率の良さをさらに検証していきたいと思います。
我々の目指すところとしては、属人化をなくし「誰がどのプロジェクトであってもスムーズに運営できる状態」、つまり『業務の標準化』を目指しています。今回導入したシステムを、その標準化のための強固なベースにしていきたいですね。
ー 標準化のベースを作りつつ、新しいことにも挑戦していきたいというお話も伺いました。
両角様:そうですね。基本となる機能は全社で統一しつつも、各プロジェクトの特性に合わせて「AIコンシェルジュ」の導入など、新しい試みはどんどん取り入れていきたいと考えています。
ITやDXの技術は日々進化していますから、御社には単なるシステムの保守だけでなく、「他社ではこんな新しい取り組みをしていますよ」といった最新技術の提案も積極的に投げていただきたいです。我々のアイデアの種を一緒に育て、共に新しいイベントの形を創り上げていけるような、そんな関係性をこれからも築いていけたらと思っています。
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