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商談会も展示会も、企業と企業のマッチングを生む場の一つです。どちらも出展企業と来場者が一カ所に集まる点は共通するものの、商談会の来場者は主に商談を目的とし、展示会の来場者は主に情報収集を目的としている点に違いがあります。
本記事では、商談会と展示会との違いから、商談会の種類、商談会が生み出すメリットまで解説します。後半では出展企業と主催企業それぞれの商談会成功のコツも紹介するため、ぜひ参考にしてください。
商談会とは?
商談会とは出展企業と来場者(企業のバイヤーなど)が一つの会場に集まり、ビジネスパートナーを探すBtoBイベントです。双方の企業にはそれぞれ以下のような目的があります。
【商談会の目的】
- 出展企業:新規顧客の開拓、自社製品の販路拡大、商談の獲得など
- 来場者(企業のバイヤーなど):新規取引先の開拓、魅力的な製品の発見、新規事業の創出など
双方にとって商談会への参加は、目的が合致するビジネスパートナーを見つけるための手段となるでしょう。
ビジネスマッチングについて
商談会はビジネスマッチングの一つです。ビジネスマッチングという言葉には以下の2つの意味があります。
- 企業と企業を結びつけるサービス
- ビジネスパートナーを見つける場
ビジネスマッチングは「企業同士のお見合い」とも表現され、商談会の他に、交流イベントや展示会、ビジネスマッチングに特化したマッチングサイトなどがあります。
展示会との違い
展示会は、メーカーや問屋などの出展企業が自社商品をアピールし、顧客を獲得するために開催されるビジネスマッチングです。展示会の多くは食品やファッションといったテーマに沿って開催され、そこにマッチする企業が出展します。多くの出展企業が一つの場に集まる点は、商談会と同じです。
両者の違いは、商談会の参加者がビジネスパートナーを見つけることを主な目的としているのに対し、展示会の参加者は情報収集を目的としている傾向にある点です。
展示会には幅広い来場者が訪れるため、製品やサービスをより多くの会社に認知してもらうことにつながるでしょう。一方で、商談会と比べると明確な目的意識を持って来場する企業のバイヤーは少ない傾向にあり、実際の取引につながる可能性でいえば、商談会の方が高いといえます。
なお、展示会にはBtoB向けの「ビジネスショー」の他に、BtoC向けの「パブリックショー」や「展示即売会」があります。また、単一企業のみが出展する「プライベートショー」、オンラインで行う「オンライン展示会」の計5種類が代表的です。
商談会の種類
ここからは、商談会についてさらに詳しく見ていきましょう。商談会には大きく以下の種類があります。
- 日本政府主体の商談会
- 地方自治体主体の商談会
- 民間企業主体の商談会
イベントにおけるマッチングにご興味のある方は、こちらの記事も合わせてご覧ください
ここでは、開催主体別の商談会の特徴を紹介します。
日本政府主体の商談会
日本政府主体の商談会とは、JETRO(ジェトロ、日本貿易振興機構)や、JNTO(ジェイエヌティーオー、日本政府観光局)、中小機構などが行っているものを指します。海外への展開や拠点拡大を目指す企業を対象としたイベントが比較的多いのが特徴です。
オンラインで行われているものもあるため、これから海外展開をしたいと考えている企業も出展しやすいでしょう。費用は出展企業の事業規模や開催国などにより異なるものの、オンラインや国内開催であれば無料で参加できるものもあります。政府主体の商談会は、通訳が同席するイベントも多数開催されています。
地方自治体主体の商談会
地方自治体主体の商談会とは、市町村や商工会議所が行っているものを指します。地域内の企業同士のマッチングが目的のイベントから、大手デパートをバイヤーとして迎え商談ができるイベントまで、その内容はさまざまです。
また海外バイヤーを招いて国外への販路拡大を目指す商談会も実施されています。販路の拡大だけでなく、発注案件と受注案件を持つ企業をマッチングして、取引のきっかけを作る商談会もあります。
民間企業主体の商談会
民間企業主体の商談会は、主催企業により対象業種や目的が異なる点が特徴です。例えば大手銀行主体の商談会では、銀行の取引先ネットワークを活用し、新製品の開発や事業の多角化のパートナー紹介などを行っています。銀行主体の商談会であれば、銀行がある程度取引先企業について把握しているため、取引を進めやすい傾向です。また、一般社団法人などの非営利企業が複数社集まり、大規模ビジネスマッチングイベントを開催するようなケースもあります。
民間企業主体の商談会は、開催主体により対象とする業界や商談の目的も異なるため、自社のニーズに合ったイベントを探せる点がメリットです。
出展者にとっての商談会のメリット
商談会に参加することで出展者が得られるメリットは次の通りです。
- マーケティング調査に役立つ
- 効率良く取引を進められる
- 新規ビジネスの開拓につながる
マーケティング調査に役立つ
商談会において出展企業は自社の新製品やサービス、定番商品を多くの来場者(企業のバイヤーなど)にアピールし、商談を進めます。商談中は、来場者の率直な意見や感想を聞いたり、自社製品への反応を確かめたりできるため、商品を改善する上でも役立つでしょう。
商品やサービスに関する要望は、新商品の開発のアイデアにもつながります。
効率良く取引を進められる
商談会では、事前商談予約制度や個別商談会など、商談がしやすい仕組みが導入されているケースも多いです。出展企業にとっても来場者(企業のバイヤーなど)にとっても、商談会に参加すれば、他のビジネスマッチングイベント以上に効率良く取引を進められる可能性があります。
新規ビジネスの開拓につながる
商談会に出展すれば、新規ビジネス開拓につながる可能性があります。例えば業界、業種に問わられない商談会、海外企業との商談会であれば、新たな販路を見つけられる可能性があるでしょう。また出展企業同士での関係構築や情報共有により、新たなビジネスの創造も期待できます。中には、想定していなかった業種との関係が構築され、業務提携や代理店契約などにつながるケースもあります。
出展企業が商談会で成功するためのポイント
商談会には目的意識のある来場者(企業のバイヤーなど)が多いとはいえ、ただ出展するだけでは、思うように商談まで進まない可能性があります。出展企業はメリットにつなげるために、次のようなポイントを押さえておきましょう。
- ビジネスパートナーをイメージして準備する
- 商品の魅力や売り方を積極的に伝える
- 来場者に合わせて端的に商材の説明をする
- 商談会後はアフターフォローを行う
ビジネスパートナーをイメージして準備する
商談会に出展するときは、どのようなバイヤーと取引がしたいか、具体的にイメージして準備を進めましょう。目的が曖昧なまま参加しては商談につながらない可能性があります。
価格交渉はどこまで妥協できるのか、どのようにビジネスを展開するのかなど、今後をイメージした上で準備を進めましょう。なお商談会によっては、出展企業向けに事前セミナーを行っているケースもあります。
商品の魅力や売り方を積極的に伝える
商談時は仕様や原材料などの商品情報を伝えるだけでなく、以下のような商品の魅力や売り方が分かる内容も積極的に伝えてください。
- 商品を開発した経緯
- 商品のターゲット層
- 商品の用途や利用シーン
- 購入者・使用者の声
- ポップやチラシなどの販促物
上記のような内容がそろっていると、来場者(企業のバイヤーなど)は実際に商品を販売するときのことをイメージしやすくなります。検討を後押しする効果が期待できるでしょう。
来場者に合わせて端的に商材の説明をする
商品の説明は、それぞれのバイヤーに合わせた内容にすることが重要です。マニュアルに沿った説明だけでは熱量が伝わりづらく、来場者(企業のバイヤーなど)の記憶にも残りません。また、商談は時間が限られていることも多いため、端的に説明することも大切です。
来場者の問題や課題をヒアリングし、自社の商品がその課題をどのように解決できるか説明しましょう。
商談会後はアフターフォローを行う
商談会が終わった後は、アフターフォローにより来場者(企業のバイヤーなど)との関係を構築しましょう。なお商談時に来場者から質問や課題を預かったなら、できるだけ速やかに回答するのが望ましいです。
また商談会の中で商談が成立した場合は、担当者にお礼のメールなどを送りましょう。
主催企業が商談会を成功させるためのポイント
最後に、主催企業側にとっての商談会の成功についても考えてみましょう。主催企業が商談会を成功させるポイントは次の通りです。
- 目的にあった開催形式を選ぶ
- 商談会がスムーズに進む仕組みを整える
目的にあった開催形式を選ぶ
商談会の開催形式には以下の3つがあり、それぞれ期待できる結果が異なります。そのため、主催企業は目的に合った形式で商談会を行うことが大切です。それぞれの形式の概要は、以下の通りです。
開催形式 | 概要 |
リアル商談会 | 会場を借りて、参加企業とバイヤーが一堂に会する従来型の商談会 |
オンライン商談会 | オンラインイベントツールなどを活用し、インターネット上で商談会を実施する方法 |
ハイブリッド商談会 | リアル商談会とオンライン商談会を同時に開催する方法 |
例えば参加企業と来場者(企業のバイヤーなど)のコミュニケーションハードルを下げるのであれば、リアル商談会がおすすめです。名刺交換や自社ブースへの呼び込みなどをきっかけに直接会話ができるため、オンラインでのやり取りよりも交流しやすい環境となるでしょう。
一方、全国から企業、バイヤーの出展を募るのであれば、オンライン商談会がおすすめです。オンライン商談会は場所を問わずに参加できるため、収容人数や距離に関係なく参加企業を募れます。また来場者のデータをスムーズに分析することも可能です。
そしてリアル商談会、オンライン商談会それぞれのメリットを備えているのがハイブリッド商談会です。
目的を明確にし、リアル商談会・オンライン商談会・ハイブリッド商談会のどれを開催すべきなのかを検討した上で形式を決定することが、主催企業側にとっての商談会成功のかぎとなるでしょう。
商談会がスムーズに進む仕組みを整える
出展企業と来場者(企業のバイヤーなど)が効率良く商談できるようにするために、事前に参加企業一覧を作成したり、商談の予約ができるシステムを導入したりすることも大切です。
オンラインイベントツールの中には、これらをWeb上で簡単に作成できるものもあります。例えば出展する企業ごとにページ制作ができる機能などです。出展企業ごとにページを用意することで、来場者は企業とのWeb面談などを申し込めるようになります。
ツールにはさまざまなものがあるので、主催する予定の商談会に適したツールを探してみてください。
【まとめ】
目的にあった商談会を選んで取引を効率化しよう!
商談会はビジネスマッチングの一つです。同じくビジネスマッチングに分類される展示会が情報収集を主な目的とするのに対して、商談会は販路拡大や商談の獲得などを目的としている点が異なります。そのため出展企業は効率的な商談が期待できる他、さまざまなメリットが期待できるでしょう。
商談会には主にリアル商談会、オンライン商談会、ハイブリッド商談会の3つの開催形式があります。商談会を主催する企業は、目的に合った開催形式を選択し、商談会がスムーズに進む仕組みを整えることが大切です。
BtoBイベントプラットフォーム「EXPOLINE(エキスポライン)」は、面談スケジュールの事前予約機能など、オンライン商談会をムーズに進められる仕組みが整っています。リアル商談会やハイブリッド商談会に役立つ機能も豊富に搭載しており、商談会の目的に応じて使い分けることが可能です。商談会の開催をお考えのご担当者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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