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オフライン開催よりもコストを抑えながら遠方からの集客も狙えるオンラインセミナーは、さまざまなシーンで利用できます。たとえば、新商品や新サービスを紹介するときだけではなく、オンラインサロンやスキルアップ講習などでも活用できます。
しかし、導入を検討する企業は多いものの、具体的な開催方法が分からず困っているケースは少なくありません。そこで、今回はオンラインセミナーの開催方法について詳しく解説します。
オンラインセミナーを開催する前に確認すること
オンラインセミナーは参加者側にとっても主催者側にとってもメリットが多いため、実施したいと思ったら積極的にトライしてみることは大切です。ただし、具体的な開催方法も理解しないまま、十分な計画もなく動き出すと失敗する可能性が高いため気を付けなければなりません。
まずは、開催するにあたり、どのような準備が必要となるかを事前に理解しておくことが必要です。そこで、ここではオンラインセミナーの開催に向けて確認しておくべき3つのポイントを紹介します。
ポイント① ターゲットや人数の想定はできているか
オンラインセミナーを開催するにあたり目的を明確化し、それに合わせた参加者を具体的に想定しておくことは大切です。どのような参加者をターゲットにして、実際に何人くらいの人を招待するつもりであるかを考えておきましょう。ターゲットと人数の想定は今後開催に向けてどのような準備を行うかを考えるうえで重要です。
まず、ターゲット層によって集客しやすい開催時間帯が変わってきます。たとえば、学生であれば学校がない夕方から夜の時間帯が有効ですし、主婦なら家事の手が空きやすい昼間などに開催すると集客しやすくなります。
一般的にBtoBセミナーの場合は、昼休憩の時間帯や夕方、もしくは業務終了後の夜間が集客しやすい時間帯と言われています。
加えて、ターゲットに合わせて集客方法や告知方法も変えなければなりません。ターゲット層の利用度が高い媒体で告知を行うなどの工夫が必要となります。
さらに、そもそもの話として、ツールやプランにより参加できる人数が異なっています。参加人数によって有料プランや参加可能人数に合わせたツールの選択が必要となるため、事前に人数想定をしておくことは必須です。
ポイント② 配信時にどんなツールや機材が必要か
配信に際して必要となるツールや機材についても開催前に考えておかなければなりません。これらは参加人数や客層に応じて選ぶ必要があります。
たとえば、参加者の人数が多い場合には配信の安定性を重視して選ぶことが大切です。また、ツールは、ターゲットとしている客層が扱いやすいUIを導入しているものを検討することも場合によっては必要となります。
UIとは「ユーザーインターフェイス(User Interface)」の略称で、利用者を意味する「ユーザー」と接点を意味する「インターフェース」を組み合わせて作られた言葉です。ウェブサイトの使いやすさや見やすさなどを意味します。
加えて、配信ツールに備わっている機能の検討も重要です。複数のツールを比較したうえで、配信者側が必要としている機能が備わっているものを選びましょう。
一般的にzoomは人気が高い傾向にありますが、何が最適な配信ツールであるかは求める条件によって変わってきます。そのため、知名度や人気の高さから安易に選ばず、開催の目的や条件などにマッチしているものをしっかりと選ぶことが重要です。
ポイント③ 無料プランか有料プランか
配信ツールには無料プランと有料プランが用意されていることが一般的です。通常は、無料か有料かによって機能だけではなく、同時接続できる人数も変わります。実際に選ぶ際には、参加者の人数の多さによって必然的に有料プランの選択が求められる場合もありますが、人数が少なければ無料プランで対応できることもあります。
ただし、プライベートや1対1での利用などではない限り、有料プランのほうが便利です。有料プランは使える機能が多く、多くの場合、通話できる時間も長くなります。
有料プランを利用するのであれば、利用料金の支払い方法についてもあわせて検討しておくことが必要です。配信ツールの利用料金プランは運営会社により異なり、「月額制」「従量課金制」「プリペイド制」などの形態があります。
月額制は利用回数に関わらず毎月定額を支払う方法であるため、オンラインセミナーを頻繁に開催する場合にお得な方法です。また、従量課金制は使用分に応じて料金が請求されるので必要なタイミングが限られ、開催頻度は多くないケースに適しています。プリペイド制はあらかじめ支払っている一定額内の利用となるため、オンラインセミナーの予算上限が厳密に決まっている場合に便利です。
イメージが湧かないときはオンラインセミナーに参加してみる
オンラインセミナーを初めて開催する場合には当日の流れなどのイメージが湧きにくいものです。実体験がないと当日必要となるものを具体的に想定しにくく、準備がスムーズに進まない場合もあります。
当日のイメージをつかむためには、担当者が実際にオンラインセミナーに参加してみるのも有効な手段です。他社が開催しているオンラインセミナーの中から参加できそうなものを探してみるとよいでしょう。
他社のセミナーに参加した際には、自社の開催で生かせるような成功につながるポイントなどをしっかりとチェックしておかなければなりません。実際に参加するとセミナーの内容に関心が向きやすいものですが、内容だけのチェックでは不十分です。それ以上に、セミナーのターゲット層や参加者数の規模、使用しているツールや具体的な運用方法などに着目する必要があります。
さらに、参加者に行っているアフターフォローの内容や、確認できる場合にはセミナーの話者以外にどれくらいのスタッフが関わっているかなどについてもチェックしておくと、自社開催の際に参考となります。
オンラインセミナーに採用するツールを選ぶ
開催に向けてオンラインセミナーを実施するイメージをつかめたら、今度は、具体的に実現に向けた準備に入ります。ここでは、準備に欠かせない配信ツール選びのポイントを解説します。選ぶ際には機能やコスト、UIなど見るべきポイントが多くあるため、ポイントをしっかりと押さえて最適なものを上手に選びましょう。
配信ツールの選び方
ツール選びのポイントは主に3つあります。
1つ目は、セキュリティ対策がしっかりとされているものを選ぶことです。自社や参加者の情報が漏洩してしまうと大きな問題に発展することがあります。
2つ目はツールが対応している同時接続数の確認です。すべての参加者が同時にアクセスポイントに接続できるよう、オンラインセミナーの規模に合った同時接続可能数のツールを選んでおかなければなりません。
念のためにと実際の参加者数よりも遥かに多い人数に対応したツールを選ぶと、高いプランとなりコストが必要以上にかかる場合もあるため、適切なツールやプランを選ぶようにしましょう。
3つ目として、参加者が利用しやすいものを選定することも重要です。利用しにくいものは参加率を下げる恐れがあります。たとえば、ログインするだけでも複雑な操作が発生したり、専用アプリのインストールが必要だったりすると、気軽に参加できないため参加を止めてしまう人が出る可能性もあります。
導入しやすい配信ツール
配信ツールにはさまざまなものがありますが、ここでは導入しやすい6つの配信ツールを簡単に紹介します。いずれも比較的名前が知られていて、初めてでも手を出しやすいものです。中には限られた機能しか付いていないものもありますが、自社の必要性やセミナーの規模に応じて検討してみてもよいでしょう。
1つ目に紹介するのが、配信ツールのなかでも特に利用者が多く知名度の高い「Zoom」です。アメリカに本社を置く企業が提供しているもので、オンライン上での会議やチャットなどのサービスをアプリを使って一括で管理できるようになっています。
利用の際に使用されるデータ通信量が少ないため、参加者が多いオンラインセミナーなどでも安定した通信が行えるのが魅力です。また、特別な準備が求められるのは主催者側だけであるため、参加者が気軽に参加しやすい点も特徴として挙げられます。
2つ目はZoomと同じく比較的知名度が高い「Skype」です。音声通話やビデオ通話のほか、インスタントメッセージの送信やファイルの共有なども無料で利用できます。ただし、事前準備として主催者だけではなく参加者もアカウントの登録が必須で、利用前にはアカウントの承認も行わなければなりません。また、利用は1対1でもグループでもできますが、ビデオ通話の参加可能人数は最大50名となっているため、規模の小さいセミナーの開催時に向いています。
3つ目は世界的な検索エンジンサービスを提供するGoogle社の「Google Meet」です。以前は「Google ハングアウト」とも呼ばれていました。特徴は、Googleアカウントさえ持っていれば無料で利用できることと、Google ドキュメントなどGoogleが提供するほかのサービスと連携しやすいことです。ビデオ通話を同時に行える人数は最大で100名となっているため、一定規模のセミナーにも利用できます。
4つ目はマイクロソフト社が提供する「Microsoft Teams」です。 ビデオ会議は参加者が300名までであれば開催回数に制限なく無料で利用できます。音声通話やビデオ通話、チャット、資料の共有機能のほか、各種 Officeと連携できる機能などもあるのが特徴です。
5つ目はアメリカのFacebookが提供する「Facebook Live」です。ライブリアクション機能やFacebook内のコメントを活用すれば、セミナー参加者の反応を瞬時に知ることができたり、直接的なコミュニケーションを取れたりする点が魅力です。ただし、基本的にFacebookの利用者を対象としたサービスとなっているため、Facebook上でつながりのあるフォロワーや友だち間での配信に限られます。
6つ目はアドビ株式会社が提供するウェビナーツール「Adobe Connect」です。開催規模や必要な機能要件に応じて3つのソリューションを、3つの導入パターンから利用することができます。チャットの利用時には、参加者全員宛てではなく特定の人だけに主催者側からメッセージを送れるのも特徴です。基本は有償プランしかありませんが、強いセキュリティ機能が備わっていて安全性が高いツールでもあります。
オンラインセミナーを開催する流れ
ツールの選定が終わったら、次は開催に向けてさらなる具体的な準備に入りましょう。ここでは、オンラインセミナーの準備の流れを開催前、開催中、開催後と順に解説していきます。
ツールや機材の準備
最初に行うことは、配信ツールや必要な機材を使用できる状態にセットし、本当に必要な機能がすべて備わっているか、問題なく操作できるかなど、実際にトライアルすることです。
パソコンなどのデバイスに選定したウェビナーツールをインストールし、必要に応じアカウント作成・ログインしておきます。また、機材については講演者が使用するパソコンの準備は必須で、画質や音質もよいものにしたい場合にはカメラやマイクなどを別に用意します。さらに、回線の品質を安定させたいのであれば、パソコンと機材は有線でつなげておいたほうが安心です。
ツールと機材のセッティングが終わったら、実際に配信テストを繰り返し、使用に問題がないかを確認していきます。前もって、ツールの操作に慣れておくことも重要になります。
配信する内容を決める
配信する環境が決まったら、配信内容を具体的に検討していきます。内容が参加者のニーズにしっかりと合っているかだけではなく、参加者が理解しやすいような順序立った話の流れや、話す際の工夫を考えておくことも大切です。理解してもらいやすくするためには、たとえば、図やグラフなどを取り入れたわかりやすい資料を用意するのも有効な手段となります。
その他、全体の構成も工夫して参加者を飽きさせないようにすることも重要です。参加者が聞き手となるだけではなく、双方向的に参加できるような構成にするのも良いでしょう。
たとえば、簡単な質問を出して挙手してもらったり、アンケートに答えてもらったりといった手段です。また、ときには、雑談などを交えて話をするのも参加者の関心を引き留めるための対策となります。
オンラインセミナー開催の告知をする
当日の段取りがおおよそ整ったら、開催日時を決めて告知を行います。告知方法はターゲット層に応じて使い分けることがポイントです。もともと接点のある顧客をターゲットにしているのであれば、ハウスリストへの集客メール配信や、自社で運営している企業サイトやオウンドメディアを利用するのも方法です。
さらに、Twitterやインスタグラム、FacebookといったSNSアカウントを運用していて一定量のフォロワーがいるのであれば、SNSならではの情報拡散力を活用するとより幅広い人に周知することができます。
その他にも新聞やフリーペーパー、チラシなどの紙媒体を使用したり、ターゲット層の関心を集めているコミュニティの告知に力を入れたりといったやり方もあります。
オンラインセミナーを配信
告知した日時になったら、ついにオンラインセミナーの配信です。事前にどれだけしっかりと準備を行い、段取りを付けておいたかが当日の成功を左右します。当日スムーズにセミナーを進行するためには、スタッフの役割をきちんと分担しておき、各担当者が本番さながらに動くリハーサルを行っておくことが大切です。
また、セミナー視聴者に対し、音量設定などツールの初歩的な使い方がわからない場合にサポートできる環境整備も重要です。具体的には、チャット窓口などを設けて初心者が不明点を問い合わせられるようにしておく方法があります。また、講演スライドの冒頭に簡単な使い方説明を入れておき、始めに伝えておくことも対策となります。
アフターフォローやお礼メールの配信
開催直後の対応にも手を抜いてはなりません。事後にお礼のメールを送れば、参加者とのつながりをより強固にできる場合があります。また、アンケートを送信して参加者からセミナーの感想を集めておけば、成功点や失敗点を把握でき、次回の開催時に生かせます。
セミナー当日に時間が取れる場合には、講演後に質疑応答の機会を設けるのも方法です。時間が取れなければ、参加者からメールによる質問を受け付けられるようにしておくとよいでしょう。
さらに、都合により参加できなかった人向けの対策を取っておくのも親切です。当日のライブ配信だけではなくアーカイブ動画の公開も行うと、参加できなかった人のみならず、当日聞き逃しなどがあって再度じっくり視聴したい人にも活用してもらうことができます。
開催結果の反省や効果測定
開催後は、開催中の参加者の反応を見直したり、アンケート結果をまとめたりして、良かった点や反省点、改善点を探り、次回の開催に生かせるようにしておきます。
さらに、商品やサービスなどに関わるセミナーであった場合には、参加者の購買意欲の変化なども追っていく必要があります。参加した人がセミナー後にどのような段階・フローを経て購入や登録を実際に行っているのかを分析することで、今後のマーケティング施策に反映させることができます。
参加者の総合的な満足度や、具体的な案件化数などもリサーチし、計画通りに開催できたかどうかの効果測定を行います。
▼オンラインセミナーの開催方法については、下記の記事もご参照ください。
オンラインセミナーのやり方は?配信方法から手順・注意点まで解説
オンラインセミナーの開催方法を理解しても不安が残るときは?
近年需要が増えウェビナーツールが普及したことにより、オンラインセミナーは開催しやすくなっています。ただし、実施は簡単でも成功するためにはノウハウや、労力、予算が必要であり、開催経験を積み重ねることが重要になります。
オンラインセミナーは配信当日だけではなく、事前の準備から事後の対応も必要で、きちんと対応するためにはやるべきことが多く大変な業務です。配信内容や参加規模などにより変わりますが、機能的で使いやすそうに見えるツールを使っても簡単に実施できるとは限りません。
オンラインセミナーを初めて開催する場合はもちろんのこと、リピートの場合もこれまで経験のない大規模なセミナーを開催予定である場合には、なおさら事前に万全の準備をしておくことが求められます。
やるべきことが多岐に渡り複雑なため、開催に向けた具体的な方法を知っても、実際にその通り実行できるかどうか不安が残る人もいることでしょう。
そのような場合、開催前から開催後までトータルでサポート可能なEXPOLINEの利用を検討してみませんか。先ずはお気軽に資料請求ください。