4万6千人が訪れた大規模オンラインイベント

クライアント :
Sky株式会社
プロジェクト :
Sky Technology Fair 2020 Virtual

プロジェクト紹介

“Sky Technology Fair 2020 Virtual”はSky株式会社様(以下、Sky様)が自社製品やサービスの紹介を行ったオンラインイベントです。年間に10回以上の展示会出展を行うことで見込み顧客や商談機会を獲得していたSky様ですが、コロナ禍によって展示会の中止や来場制限が相次ぎ、従来のマーケティング施策を行うことが困難な状況となっていました。

そこで、展示会の代替として2か月間に渡るオンラインイベントを実施することに。自社製品であるクラウド型オンラインイベントプラットフォーム「EXPOLINE」をベースとして、オンラインイベントの実施に必要な全ての機能をフルパッケージにてご提供。オンラインイベント全体の段取りを行わせていただきました。

また、2か月間の会期中には来場者の方々から届いた改善要望の多くに対応。会期中のWEBサイト改善・修正は計230件以上に及んだ結果、来場者の方々の支持と評価を得ることに成功し、単独主催のBtoBオンラインイベントとしては異例となる計4万2千名超の来場者を記録することができました。
担当者紹介

Sky株式会社

ICTソリューション事業部 販促企画部

西澤 武史 様 曾我 恭也 様

大規模オンラインイベントの改善と運用、
オンラインで成果を出す取り組みについて

コンテンツ

・申込受付機能
・参加登録フォーム
・WEBサイトにおける参加登録者の行動ログ取得
・資料ダウンロード機能
・配信ツールVimeoを用いた動画視聴環境
・コンテンツ差し替え用CMS
・チャットツール
・オンライン商談ツール
・コンテンツ制作
・アンケートページ制作
・ポイントラリー
・抽選会の実施
など

そこで、今回はSky株式会社のご担当者様に貴重なお時間を頂戴し、本事例を振り返って頂くインタビューを行いました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、数多くのオンラインイベントが行われておりますが、これだけふんだんに機能が盛り込まれているうえ、一社によるオンラインイベントとしては異例となる4万2千名の来場者を招くまでに至った本イベント。

本イベントから得られたノウハウや気付き、会期終了までの紆余曲折や裏話などについても赤裸々に語っていただきます。

これからオンラインイベントを実施・検討なさっている方々には必見の内容です。

 

オフラインの展示会からオンラインイベントへ舵を切った経緯や背景について

コロナ禍であっても、顧客とのタッチポイントの場を早くに設けられたこと、お客様へ情報訴求ができたことはとにかく助かりました。

当社)
これまではリアル展示会への出展を頻度高く行ってきたなか、コロナ禍を受けてオンラインでの開催に舵を切ることとなりましたが、1回目の開催としては他のIT企業と比べて非常に早いタイミングでした。そのタイミングには御社としてはどういったご判断や背景があったのでしょうか?

Sky様)
その当時、緊急事態宣言はまだ出ていなかったけれど、イベントが主催も協賛もできる状態ではなく、ただ、何か動かないと、新規顧客獲得の手段が何もないということになっていくだろうという先への不安と、新商品の発表も例年春にやっていたけれどできないとなると、既存のお客様に対しても情報提供ができなくなるだろうと。

これが大きな問題課題としてあって、そのための手段として、当時はまだオンラインイベントの情報が少なかったのですが、オンライン上の展示会の手法を見つけて、まずは試してみようという話になりました。このタイミングでは、比較的短時間で準備ができる方法を選択した。という経緯もあります。

当社)
1回目を終えてみてのご感想は?特にオンラインにおいてよかったところは?

Sky様)
実施したタイミングは緊急事態宣言下であったのですが、想像していたよりは多くの方に参加して頂けるなという感触を得たのは覚えています。

オンラインが良かった良くなかったというよりも、コロナ禍であっても顧客とのタッチポイントの場を早くに設けられたのはよくて、お客様へ情報訴求ができたのはとにかく助かりました。

ただ、弊社としてはむしろ1回目を終えて課題の方が多く炙り出されました。特に「集客・歩留まり」と「P D C A(改善)」です。

当社)
開催の目的が「新規のお客様にアプローチ」という前提が大きかった中、そこがなかなかうまく運ばなかったということでしょうか?

Sky様)
そうですね、従来の展示会は弊社が集客するわけではなく、主催社が集客した来場者が当社のブースに立ち寄って頂けるという建て付けであり、必然と我々にとっての新規顧客との接点が生まれやすかったのですが、初回のイベントではそれなりの数の集客はあったものの、既存のお客様が多かったです。

新規顧客の集客に対するプランニングがまだあやふやなまま開催を急いだということもあり、これについては次回開催に向けて大きなテコ入れが必要という学びがありました。

当社)
改善については、開催中にサイトに様々な改良を加えたかったということですよね?

Sky様)
そうですね、特に初回であったので、たくさん改善(挑戦)をしたかったのですが、自由度が高くなかったため、出来ませんでした。既存の仕組みの範囲内だけでなくてカスタマイズ性は選定における重要な判断材料だということも学びでした。


オンラインイベントにおける集客・PRについて

集客に直接的なのはメールだが、TVCMやOOHで歩留まりを押し上げられた

当社)
ここからは弊社がお手伝いをさせて頂いた2回目のオンラインイベントについてお聞きしたいのですが、1番の課題であった「集客」に対して大きくテコ入れをなさいました。集客についてはどの手法が1番ヒットしましたか?これが効果的だった、という集客の方法について教えて頂けますか?

Sky様)
単純にアンケート結果を見ると、申込のきっかけはメールが多いです。弊社からのメールもそうですし、様々な媒体を使ったメルマガへの広告もそう。クリックしたら申込フォームにいきますので登録に対して1番の近道ですよね。

ただ、面白いのが、実はTVCMの効果が大きかったと思っています。申し込むツールとしてはメルマガだけれど、認知の部分で非常に広くリーチができる。特に我々にとって新規の方に関してはやっぱりTVCM をやっておくと、当社とイベントの認知が広がって、メールの施策が効いてくるという相乗効果があったと考えています。

当社)
なるほど、TVCMとメール以外にもSNSや、WEB広告、タクシー広告なんかも実施されて、非常に大きな面を作りましよね。

Sky様)
タクシー以外にも駅の看板、新幹線もやりました。登録に対して直接だったのはメールでしたけど、歩留りの面において、ここまで面で押さえると非常に効果的だったと思っています。

IΤ系のイベントって歩留まりが通常5割前後という中で、今回77%程の数値が出たのは、本サイトオープンの1ヶ月前くらいから登録は開きましたけど、登録したことを忘れてしまい参加できなかったということが起こり難いですよね。同じように、期間中のリピート来場も押し上げることが出来たと考えられます。

当社)
今回、御社のパートナー企業様の展示ページも作成してらっしゃいましたが、パートナー企業様にも集客を依頼されましたか?

Sky様)
声をかけてはいたものの、積極的な集客の依頼ということはできていなくて、おっしゃる通りそこはもっと改善しなければならないポイントだと思いますね。

プラットフォームに対してPDCAを回し、”改善・運用”するということ

ユーザー様の声を元に改善を回し、リピーターを獲得する事ができました。


◆左:オープン初期のトップページ
右:オープンより1か月後のトップページ


当社)
中身のところをお伺いさせてください。1回目に課題であった改善を今回はめちゃくちゃしましたよね。もはや、オープン当初のU Iは終了のタイミングでは跡形もなくなりましたね笑

Sky様)
全然、別のものになっていましたね笑

当社)
改善を繰り返していくなかで、クリティカルだったポイントっていくつかありましたか?これはとても効果があったねみたいな。

Sky様)
1つはコンテンツの追加ですよね。講演(コンテンツ)を徐々に追加していきました。今回のイベントの1つの特徴として、複数回来場つまり、リピーターの方が非常に多かったです。平均で3回来場なので、多い方だと10回以上にもなります。

これってやっぱりコンテンツが追加されたりとか、講演会が増えていったりとか、その度にお知らせはしていたので、コンテンツ追加は、リピーターを獲得するという点ではクリティカルでした。

当社)
それは事前に戦略として組み立ててらっしゃいましたか?

Sky様)
いえ、やりながら考えて即実行という進め方でしたね。


オンラインイベントにおける顧客とのコミュニケーション手段について

来場者様の都合に合わせた様々なコミュニケーション手段を用意、インセンティブも活用する事で利用率を上げることに成功しました。

当社)
抽選会についても、途中からやるぞという感じでしたか?機能的には大きい追加でしたが、これを実施するに至った経緯とその効果について教えて頂けますか?

Sky様)
1回目から2回目の変化という意味でいうと、1回目はただWEB上に情報展示しているだけでした。ログで誰が何を見て頂いたかを確認して後追いしていたのですが、これがイマイチ感触が薄くて、、相手の記憶に残っていなかったんで

コミュニケーションが無いからだろうと仮説を打って、今回はチャットだったりWEB会議だったり、商談予約だったりという来場者のご都合に合わせて選択できる問い合わせの機能を盛り込んだんですけれど、これが置いてあるだけだとなかなかそこには皆飛び込んでくれない。ということもわかりました。

ということで、コミュニケーションを盛り上げる方法はないか?と考えて、チャット機能を使って質問を頂けた方の中から毎日1名に景品を差し上げる抽選会を機能として取り入れました。

▲活況を呈した抽選会

当社)
抽選会を実施したタイミングから、参加率は伸びましたか?

Sky様)
効果はありましたね、それでいて少し懸念していましたが、景品目当てのチャット利用が増えるのでは?ということについては、コメントの質が低くはなりませんでしたので、この施策を続けられるという判断もできました。

当社)
コミュニケーションを取ったお客様に関しては次のアクションが高い確度でランクアップしましたか?

Sky様)
まだ完全にデータが出ているわけではないですが、チャットで色々話が出来た方は、そのあと別のウェビナーに申し込んで頂けたというのもあり、コミュニケーションをとっていない方よりもランクアップ率が高いのは確かです。

当社)
確実にステップアップはしているということですね。

Sky様)
そうですね。ただ難しいのが、役職者の方とのコミュニケーションですね。特に弊社の開発系サービスの事業でいうと、開発責任者クラスの方々の承認が最終的には必要になるので、我々にとっては当然重要なターゲットになってくるわけですけれど、チャットで済むような質問を持ってらっしゃらないですよね。

現場の担当者様方は非常に具体的ですぐに答えが欲しい課題を持ってらっしゃるので問い合わせ関係の機能を便利に使って頂けますが、責任者クラスの方がチャット叩いて「こんにちは」って来るかというとそこは難しい。

当社)
なるほど、オフラインとオンラインにおいていわゆる役職者層の含有率って違いがありますか?

Sky様)
正確な比較はできていないですが、多少あると思います。

次回に向けて、新たに検討していること

ライブ配信や、演出を含めて”イベント感”、”祝祭感”を作りたい。

当社)
2回目のオンラインイベントを終え、次回に向けて新たにご検討されていることはございますか?集客に向けての新しいアイディアとかも含めていかがでしょうか。

Sky様)
だいぶ色々あるんですが、とりわけLIVEのイベントが必要だと考えています。これまで2回のオンラインイベントは本当にいわゆる“展示会”をやってました。

結局、“展示会”をやっているだけだと、その場のコミュニケーションだったり、盛り上がりだったり、言い回しは難しいですが “イベント感” がなくて、印象に残りづらいと思っています。印象に残りづらいと結局商談への転換率が低い。

オンデマンドの動画コンテンツも大事ですが、やはり期間中にLIVEを取り入れて、盛り上がりの山を意図的に作っていきたいと考えています。

例えば、集客力のある著名人や芸能人を起用したり、コンテンツの中身の演出もTV番組を作るような感覚で、会社で見て頂ける程度の多少のエンタメがあっても良いと思っています。その方が新しい層に対してリーチするきっかけが作れるのではないかという仮説です。

これにオープンチャットを活用しながら、展示ページの方にも誘導していくとか。いかにLIVEを盛り上げられるか?という感覚でコンテンツを作ってみたいと思っています。


オンラインイベントのプラットフォームや、運営ベンダーを選定するうえでの基準とは?

安くて提供が早いサービスを選択するというよりは、カスタマイズ性が高く、長期の開催に対して運用していけて、個人情報に対して堅牢なサービス

当社)
オンラインプラットフォームで今後必要になってくる機能面、
あるいは、ベンダーを選定するうえでの基準でお考えのポイントがあれば教えてください。

Sky様)
オンラインイベントは、データを見ながら改善を加えていくことが、リアルのイベントよりも開催期間が長い分求められます。既存の枠組みの中でしか修正ができないサービスだと、長期間の開催には向かないのでそこは大切なポイントだと思います。1日2日で終わるウェビナー程度のものであれば別ですが。

今回、最初は小さくスタートしましたが、増設したり、修正や改造を加えていき追加コストは掛かっていきましたが、それでもリアルのイベントに比べればリーズナブルです。

安くて提供が早いサービスを選択するというよりは、カスタマイズ性が高く、長期の開催に対して運用していけて、個人情報に対して堅牢なサービスを選択したいとは思っています。


スプラシアの対応と、スプラシアへ今後求めること

Sky様)
だいぶ無茶な要望を色々としたが、ここまでやって頂いたことに感謝しています。

最終的には、集客、プラットフォームなどの準備段階から、日々の対応改善まで、一緒に取り組んでいただけたのはとても良かったです。ただ結局、オンラインイベントにおける勝ち筋が完成したわけではまだないので、引き続きサポートをお願いしたいと思っています。


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