イベントDXとは? 実現できることやメリット、推進方法を解説!

イベント業務やイベントそのもののデジタル化を進める取り組みを「イベントDX」といいます。イベントDXを推進すれば、イベント業務の効率化や、顧客への新たな価値提供が可能です。イベントDX推進時はイベント管理ツールのような新たなシステムが必要となりますが、システムにはさまざまなものがあるため、導入の際は自社の課題を解決できるツールを選定しましょう。

本記事では、イベントDXとは何か、推進により実現できることやメリット、イベントDXの進め方を解説します。

イベントDXとは?

DX(デジタルトランスフォーメーション)とはデジタル技術の活用により、既存の業務フローの改善や新たなビジネスモデルを創造し、企業の競争優位性の確立を目指す取り組みです。イベントDXは、イベント業務にデジタル技術を取り入れ運営側の業務を効率化したり、オンライン化によりイベント自体の魅力を向上したりする取り組みのことを指します。

従来のような紙の受付名簿で管理する来場型のイベントでは、参加者情報の有効活用が難しかっただけでなく、アプローチできる範囲も限定されてしまっていました。

イベントDXを進めれば、既存業務の改善につながるだけでなく、今まで物理的にアプローチが難しかった見込み顧客への接触も可能です。

イベントDXの推進で実現できること

イベントDXを進めれば、以下の実現が可能です。

● 参加者データの収集と分析
● 顧客育成(ナーチャリング)
● 新たな顧客体験の創出
● イベント施策改善のPDCAの効率化

一つずつ解説します。

参加者データの収集と分析

イベントDXを進めれば、参加者データの収集・分析がしやすくなり、効果的な顧客育成につながります。例えば、来場型のイベントであればWebからの事前予約を導入し、申し込み情報をチェックすることで参加者データを収集可能です。一方、オンラインイベントであれば、ウェビナー視聴や資料のダウンロード、アンケート回答などの行動履歴を辿ることで、参加者情報の収集が容易になります。

なお、イベント情報から運営業務まで一元管理できるシステムを導入すれば、参加者データの管理と分析がしやすくなります。また、二次元バーコードでのチェックインを導入すれば、受付業務の手間を削減しながら参加者データを収集・分析でき、一石二鳥の効果が期待できるでしょう。

従来の来場型イベントのように、参加者は集まったものの情報を収集しにくいという課題の解決が可能です。

 

顧客育成(ナーチャリング)

顧客育成(ナーチャリング)とは、見込み顧客の購買意欲を育てたり、既存顧客をリピーターにしたりする取り組みです。

イベントDXに役立つシステムの中にはマーケティング施策を自動化・効率化できるMAツールなどと連携できるものもあります。そのようなシステムを活用すると、一人ひとりの嗜好性や育成段階に応じた効果的なアプローチが可能です。

例えば、過去のイベント参加状況から嗜好性を分析し、ニーズに合ったメールを配信したり、効果的なアポイントメントを取ったりできるようになります。これにより、購入意欲の向上や再購入を促す効果が期待できます。

新たな顧客体験の創出

デジタル技術を活用すれば今までにない顧客体験の創出も可能です。
例えば、受付に関わるシステムを完全にデジタル化すれば、来場者は受付の待機列に並ぶといった負の体験も減らせます。

具体的な例を挙げると、AruCodeという物流現場などで使われる特殊なコードをイベントに転用することで、参加者の会場への出入りをスムーズかつ確実に抑えていくことができます。

参加者に対して、従来ストレスを与えていた要素をデジタルで解決することで、
より満足度の高いイベント開催が可能となります。

イベント施策のPDCAサイクルの効率化

イベントの管理方法をデジタル化すれば、より具体的な指標を用いて効率的にPDCAサイクルを回せます。イベント後に収集したデータを元に効果の測定を実施し、その結果を改善に生かせば、次回はよりよいイベント施策を打ち出せるでしょう。
情報がデータ化されるため、紙ベースのアンケートのようにイベント後に結果を集計する手間も掛かりません。

 

▼イベントDXを実現した事例のご紹介

展示会DXを実現!11万人来場のイベントで実施した5つのプロセス

 

イベントDXを推進するメリット


イベントDXを進めるメリットには、以下のようなものがあります。

● ペーパーレス化を実現できる
● コスト削減に役立つ
● 場所や時間に縛られずイベントを開催できる
● スムーズに入場・受付できる

ペーパーレス化を実現できる

入場券やパンフレットなどの紙媒体を削減できれば、情報管理が容易になります。
来場型のイベントであれば、二次元バーコード入場サービスを導入する、デジタルパンフレットを配付する、Webアンケートを取るなどのDXにより、ペーパーレス化が可能です。

イベントのペーパーレス化を実現できれば、紙媒体の印刷やイベント終了後の管理の手間も掛からないため、業務効率化にも役立ちます。

コスト削減に役立つ

来場型のイベントを開催する場合、当日の会場受付や誘導スタッフの人件費、会場のレンタル費用など、複数のコストが発生します。前述の通り、二次元バーコード入場サービスなどを導入すれば、紙だけでなく受付対応に必要な人的コストの削減も可能です。

また、来場型ではなくオンライン上でイベントを開催すれば、会場のレンタル費用だけでなく交通費や宿泊費など、現場設営に必要な費用も削減できます。ただしDX化には初期導入費が掛かるため、DX化によるコスト減と導入費を天秤に掛け、費用対効果を慎重に検討することが大切です。

場所や時間に縛られずイベントを開催できる

オンラインイベントはWeb上で開催されるイベントなので、時間を選ばず開催できます。実際、イベント期間中は24時間アクセス可能にしているオンラインイベントも少なくありません。来客型のイベントのように、天候や集客人数に縛られない点もメリットです。

本社が地方にある、収容規模が適した会場を借りられない、などの理由からイベント開催を諦めていた企業も、オンライン上であれば既存の問題を克服できます。また日時や場所にも縛られないため、日本国内の企業だけでなく、海外企業もイベントに参加しやすくなるでしょう。

スムーズに入場・受付できる

イベントDXを導入すると、入場・受付がスムーズになるというメリットがあります。

例えば入場券を二次元バーコード化した場合、参加者はコンビニなどで発券する手間がなくなり、入場時も手元のスマートフォンで二次元バーコードを提示するだけとなります。一人ひとりの手続きも簡単になるため、スタッフの業務効率化や、混雑の解消にもつながるでしょう。

イベントDXの進め方

イベントDXは、多くの場合以下の流れで進めていきます。

● イベントDXの認識をすり合わせる
● イベント課題を抽出し、解決方法を明確化する
● イベントDXで使うツールを選定する
● イベント終了後は参加者のフォローをする

イベントDXは管理方法やイベントそのもののデジタル化だけで終わるものではなく、その後の参加者のフォローが大切です。

イベントDXの認識をすり合わせる

イベントDXを進める前に、どのようにデジタル化を進めるのか、社内で認識をすり合わせましょう。特に必要なのは、実際に現場でイベントを運営するチームと、上層部との間でイベントDXに対する認識に相違がないかどうかの確認です。経営上層部がDX化を望んでいても、現場チームが抵抗や反感を覚えている場合、DX化がスムーズに進まない原因となります。なぜイベントDX化が必要なのか、DX化を推進すればどのようなメリットが生まれるのかなどを上層部と現場チームの間でしっかり話し合い、一丸となってDX化を進めていくことが大切です。

イベント課題を抽出し、解決方法を明確化する

現在のイベント開催時の課題を抽出し、どのようなツールがあればそれらの課題を解決できるのか明確化します。課題の洗い出しを行わないと、具体的な解決方法を策定できず、後述するツールの選定基準もあやふやになってしまうので注意が必要です。また、イベントDXを進めることで、新たにどのような業務が発生するのか、費用はどの程度掛かるのかも明らかにしましょう。

イベントDXで使うツールを選定する

イベントDXでは、イベント管理ツールやオンラインイベントを配信する動画撮影機材などを導入しなければいけません。また、来場型とオンライン、双方のイベントを行う場合は、ハイブリッド型に対応した管理ツールが必要になります。

ツール選定では、抽出した課題を解決できる機能があるか、導入費用や月額費用はどの程度かなどを確認しましょう。オンラインイベントのノウハウがないのであれば、イベント開催のサポートサービスを提供しているベンダーがおすすめです。

イベント終了後は参加者のフォローをする

イベントDXでは、イベント終了後に集まったデータを活用し、参加者のフォローや育成につなげることが大切です。

例えば、イベント参加者に対するアンケートで「サービスについて詳しく知りたい」と回答した見込み度合いの高い参加者に対し、営業から直接アプローチを行ったり、お礼のメールを送ったりするとよいでしょう。お礼のメールは、長期的な関係性の構築のために有効です。

反対に、サービスに対して「あまり興味・関心を抱いていない」と回答した参加者にはすぐにアプローチを掛けずに様子をみるなど、見込み度合いに応じてアプローチ方法を変えると効果的です。

何を基準に見込み度合いを判定するのか、見込み度合いでカテゴリ分けした参加者に対し、それぞれどのようなアプローチを行っていくのか、といったルールも事前にまとめましょう。

イベントDXを進めて顧客との関係性を強化しよう


イベントDXとは、イベントの管理方法やイベント自体のデジタル化を進めることです。これにより、従来のイベント業務にまつわる課題を解決し、業務効率化をしながら顧客との関係性を強化できます。

イベントDXの推進では、イベントDXに対する認識のすり合わせや、イベント課題の抽出および解決方法の明確化を行うとともに、専用のツールの導入も必要です。

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